優しいですよ、 ページ46
『厠一緒に行くかい』
「えぇ…なんでですか」
だって怖いだろう、と書こうとしたが、そういや私のことも怖いんだったな、と思い出しやめた。
『ごめん、やっぱりなんでもない。
すぐ立ち去るよ。』
「まっ、待ってください！」
部屋を出ようとすると、彦四郎くんが呼び止めた。
振り返ると、顔を真っ赤にしながら震える声で言ってくる。
「こ、怖いので… 一緒に行ってください…」
どうやら私は、物の怪よりかは怖くないらしい。
■+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+■
ギシギシトントン…と、３つの足音が不規則なメロディーを奏でる。
しかし、トントンという音は私だけから出たもので、流石忍者、忍び足が得意なんだな、と思い知らされる。
ふと、左吉くんが口を開いた。
「あの…Aさんはどうしてそんなに優しいんですか？」
私はふむ、と考え、ゆっくりと黒板に文字を書いた。
『私は優しくなんてない』
「そんなことないです」
『ここに来てから4人ほど傷つけた。
2人を精神的に潰した。』
「えっ、あぁ…はい…」
さすがの優しくない行為に、2人は若干躊躇った様子だ。
傷つけたって言っても、ちょっと襟首掴んで引きずったり、前髪掴んだり、目の横刺したり、殴ったりしただけだけどね。
精神的に潰したって言っても、ちゃんとすぐネタバレしたけどね！
「で、でも！それもこの学園を救うためなんでしょう？
なら、貴女は優しいです。」
慌ててそう言う彦四郎くんだが、少し吃るのを見逃しはしない。
でも、こんな私を優しいと言ってくれる子がいるだけでありがたいか。
私は黒板に『ありがとう』とだけ書いて、立ち止まった。
「あっ、着いた…。」
左吉くんがポツリと呟く。
相当我慢していたのであろう彦四郎くんは、「待っててください！」と言い厠に駆け込んでいった。
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河鳴 - ルビーさん» はじめまして！いつも楽しんでるなんて素晴らしいお言葉、ありがとうございます！！もう少しで終わるはずなので、今後ともよろしくお願いします！ (2015年5月7日 5時) (
レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - はじめまして！！ いつも楽しんで読ませていただいています！！(`・∀・´) 時間がなくてあまりコメントなどで応援？できませんが、これからも楽しみにして待っています！(´∀`*) (2015年5月6日 23時) (レス) id: 00f0791501 (このIDを非表示/違反報告)
河鳴 - 蜻蛉さん» 面白いなんて…ありがとうございます！読者様をもっと楽しませることができるよう精一杯頑張ります！ (2015年5月5日 15時) (レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
蜻蛉 - とても面白いです！いつも続きが気になっています！これからも頑張ってください！！ (2015年5月4日 22時) (レス) id: fbf176a846 (このIDを非表示/違反報告)
河鳴 - タスクさん» 終始にこにこしてる留さんってぞわぞわしません？夢主ちゃんはちょっと性格悪めにしてますw口に出ない分、心の中では言いたい放題なのでww (2015年5月2日 23時) (レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：河鳴 | 作成日時：2015年4月25日 14時
