3年生の話し合い ページ5
「…なあ、Aさんが笑ってるとこ見たことあるか？」
藤内が神妙な面持ちで尋ねる。
「いや、俺はないな。」
三之助が否定すると、続いて左門、数馬、孫兵も同意した。
「やっぱりか。
あの人、泣いたり悲しそうな顔をすることはあっても、笑うことは一度もないんだよ。」
「お前それどこ情報だよ…」
まさか、ずっと張り付いてたのか？と、三之助が引き気味に言った。
「確かに笑ったことない、ていうか、笑ったところを想像できないね。」
数馬はうーん、と唸る。
「やっぱり、ヘイセイでのことが原因だろうか…」
左門が少し寂しそうに呟いた。
4人もそれに頷く。
すると、後ろから声が掛かった。
「なに？Aちゃんの話？」
振り返ると、勘右衛門が面白いものを見つけたと言うような顔でこっちを見ていた。
「はい、その人が全く笑わないという話をしてたんです。」
孫兵が説明すると、勘右衛門と、一緒にいた5年生4人は各々違う反応を見せた。
「あー、確かに、ニコリともしないよねえ。」
「今は素っ気なくても、すぐに媚びを売るようになるさ。」
勘右衛門が考えながら言うと、三郎は嫌な顔をして答える。
すると、黙っていないのが救われた八左ヱ門だ。
「三郎、それは違うぞ。
Aは天女と同じじゃない。
あいつのお陰でまた笑える様になったやつが沢山いるんだ。
お前ももう薄々気づいているんだろう？」
「そうだよ、三郎も変な意地張ってないでさ。」
八左ヱ門に同意する雷蔵。
「雷蔵まで…。
別に意地なんて張ってないし、用心しているだけさ。
またあの時の様になりたくないんだよ。」
あの時、と聞いて思い浮かべるのは、下級生が天女を始末した後、それまでの仲の良い空気が無くなってしまった学園だ。
「でも、今こうやって下級生と話ができる。
それが答えだよ。」
雷蔵は、諭すように言いながら3年生を見た。
確かに、今までは近づくだけで震えていたのに、普通に話すことさえできる。
これはAが学園を救ってくれた証ではないのか。
だが三郎も折れない。
「はんっ、どうせ、危ないから下級生も味方につけておこうって魂胆だろ。」
「でも、今朝は潮江先輩を殴ったって聞きましたよ。」
その瞬間、今まで黙って御飯を食べていた兵助が味噌汁を吹き出した。
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河鳴 - ルビーさん» はじめまして！いつも楽しんでるなんて素晴らしいお言葉、ありがとうございます！！もう少しで終わるはずなので、今後ともよろしくお願いします！ (2015年5月7日 5時) (
レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - はじめまして！！ いつも楽しんで読ませていただいています！！(`・∀・´) 時間がなくてあまりコメントなどで応援？できませんが、これからも楽しみにして待っています！(´∀`*) (2015年5月6日 23時) (レス) id: 00f0791501 (このIDを非表示/違反報告)
河鳴 - 蜻蛉さん» 面白いなんて…ありがとうございます！読者様をもっと楽しませることができるよう精一杯頑張ります！ (2015年5月5日 15時) (レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
蜻蛉 - とても面白いです！いつも続きが気になっています！これからも頑張ってください！！ (2015年5月4日 22時) (レス) id: fbf176a846 (このIDを非表示/違反報告)
河鳴 - タスクさん» 終始にこにこしてる留さんってぞわぞわしません？夢主ちゃんはちょっと性格悪めにしてますw口に出ない分、心の中では言いたい放題なのでww (2015年5月2日 23時) (レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：河鳴 | 作成日時：2015年4月25日 14時
