嫌いじゃない ページ30
「…えーっ、と、落ち着いた？」
尾浜くんの問いに、こくりと頷く。
結局あのまま10分ほど泣き続け、2人には酷い醜態を晒してしまった。
2人とも、急に泣き出す迷惑千万の私を放ってどこかへ行ってしまっても良かったのに、ずっと何もせず待っていてくれたのには驚いた。
てっきり、ここぞとばかりにいじめる様なやつらかと思っていたのに。
「もし、話せるならで良いんだけどね、なんで泣き出したか教えてくれる？」
優しく、ゆっくりとした言葉遣いで喋り掛ける尾浜くん。
鉢屋は先ほどから一言も喋らないため、今どんな事を考えているのか分からない。
それが、どうしようもなく怖かった。
私は黒板を持ちなおし、文字を連ねた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「「………」」
長い沈黙が流れる。
なぜ2人は一言も喋らないんだ。
やっぱり少し説教っぽくなってしまったのだろうか。
会って数日の天女(仮)に説教とか嫌だろうな。
頭の中整理できてないから文章ばらばらだし…
そう心の中であたふたしていると、尾浜くんが優しく問いかけてくる。
「…つまり、親の愛を受けて入っている忍術学園をさぼるなんて、Aちゃんには許せなかったってことでいい？」
心を落ち着かせ、ひとつ頷く。
そこで、今まで黙っていた鉢屋が口を開いた。
「たしかお前は、親から愛される事なく育ったんだったな。」
「ちょっと三郎！率直すぎるよ！」
尾浜くんが慌てるが、私はそれを制し、鉢屋に向かって頷いた。
鉢屋はぽつぽつと語りだす。
「そうか…。
私はな、親が好きではない。
家に帰れば変装のことばっかりで、鬱陶しいったらありゃしない。
いつでもどこでも変装変装。
お陰で私は年中反抗期だ。
でもな、そんな親も私を愛してくれてる。
怪我をしたら心配してくれたし、ここへ通っているのも私の我が儘だ。
私はそんな親に感謝している。
もう一度言おう。
私は親が好きではない。
だが、嫌いって訳でもないんだ。」
鉢屋はそう言って、優しく笑った。
多分、親のことを思い出しているんだろうな。
羨ましい、思い出した時に嬉しくなれる親がいるなんて。
しばらくそう考えていると、それを察したであろう尾浜くんが私の顔をガッと掴んだ。
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河鳴 - ルビーさん» はじめまして！いつも楽しんでるなんて素晴らしいお言葉、ありがとうございます！！もう少しで終わるはずなので、今後ともよろしくお願いします！ (2015年5月7日 5時) (
レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - はじめまして！！ いつも楽しんで読ませていただいています！！(`・∀・´) 時間がなくてあまりコメントなどで応援？できませんが、これからも楽しみにして待っています！(´∀`*) (2015年5月6日 23時) (レス) id: 00f0791501 (このIDを非表示/違反報告)
河鳴 - 蜻蛉さん» 面白いなんて…ありがとうございます！読者様をもっと楽しませることができるよう精一杯頑張ります！ (2015年5月5日 15時) (レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
蜻蛉 - とても面白いです！いつも続きが気になっています！これからも頑張ってください！！ (2015年5月4日 22時) (レス) id: fbf176a846 (このIDを非表示/違反報告)
河鳴 - タスクさん» 終始にこにこしてる留さんってぞわぞわしません？夢主ちゃんはちょっと性格悪めにしてますw口に出ない分、心の中では言いたい放題なのでww (2015年5月2日 23時) (レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：河鳴 | 作成日時：2015年4月25日 14時
