お片付け ページ3
「て…A、さん…」
後ろから呼ばれ振り返ると、そこには2年生が俯いて立っていた。
2年生に身体を向け話を聞く姿勢になると、また泣きそうな声になりながらゆっくりと話しだす。
「…庇ってくれて、ありがとうございました。
あと、ひどいこと言ってごめんなさい。」
ぺこりと頭を下げる2年生。
私はその子の身体をあげさせ、黒板が見えるようにした。
『いいんだ、君は学園を壊した天女が許せなかったんだろう。
それは正しい反応だよ。
気にすることはない。』
それを読んだ2年生は、もう一度ごめんなさいと謝る。
ひと段落ついたところで、いつまでも2年生と呼ぶ訳にはいかないので名前を聞いた。
ついでに、忘れてしまったドッペルくんにも。
2年生は能勢久作といい、ドッペルくんは不破雷蔵というそうだ。
そういやそんな名前聞いたことあるなあ。
なーんかふわふわした名前だったのは憶えていたのだが。
雷蔵くんはしばらく「教えたのに…」といじけていたが、すぐに立ち直り私に向かいあった。
「Aちゃん、2人を護ってくれてありがとう。
疑ってごめんね。」
そう言って柔らかい笑みを浮かべる雷蔵くんは、名前通りふわふわした子だなあと思った。
『いいよ、この学園を守るためなら、疑うことはいたしかたがない。』
黒板にさらさらと文字を書き見せると、雷蔵くんは「優しいんだね」と呟いた。
そこで怪士丸くんが、言いづらそうに言う。
「…本の、片付けを…」
辺りを見回すとそこには、本棚から落ちた本が散乱していた。
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河鳴 - ルビーさん» はじめまして!いつも楽しんでるなんて素晴らしいお言葉、ありがとうございます!!もう少しで終わるはずなので、今後ともよろしくお願いします! (2015年5月7日 5時) (レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - はじめまして!! いつも楽しんで読ませていただいています!!(`・∀・´) 時間がなくてあまりコメントなどで応援?できませんが、これからも楽しみにして待っています!(´∀`*) (2015年5月6日 23時) (レス) id: 00f0791501 (このIDを非表示/違反報告)
河鳴 - 蜻蛉さん» 面白いなんて…ありがとうございます!読者様をもっと楽しませることができるよう精一杯頑張ります! (2015年5月5日 15時) (レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
蜻蛉 - とても面白いです!いつも続きが気になっています!これからも頑張ってください!! (2015年5月4日 22時) (レス) id: fbf176a846 (このIDを非表示/違反報告)
河鳴 - タスクさん» 終始にこにこしてる留さんってぞわぞわしません?夢主ちゃんはちょっと性格悪めにしてますw口に出ない分、心の中では言いたい放題なのでww (2015年5月2日 23時) (レス) id: 16ae572954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:河鳴 | 作成日時:2015年4月25日 14時