●苦味6% ページ8
椚ヶ丘中学校に着けば、生徒達から異様な視線を向けられる。それも仕方無い。何せ、今の私は私服で校内へと這入ったのだから。
制服は無いから着れなかったのよッ!!……否、特別着たい訳では無いんだけれどね。
本校舎への入口に行けば、教師らしき女性が居た。そして私を見ると、伊藤さんかな?、と訊ねてきた。
「は、はい!今日は宜しいお願いします!」
「うん。じゃあ、試験会場まで案内するから」
「はいっ」
挨拶、見た目、そして少し緊張している今の私は
試験は五教科。打っ付け本番だけど大丈夫の筈よ。伊達に彼の人の部下じゃなかったもの。
「ここが試験会場よ。試験官は1教科ずつ代わるからね」
「はい、有難う御座います!」
自分でも思うけど、本当に「善い子」よね。今の私。
試験迄は未だ時間が有るので勉強する。A組に這入れなかったら後々面倒だからだ。
試験開始時間間際に成ると、試験官に声を掛けられる。勉強する手を止め、机に向き合う。
用紙を配られ、時間に成れば合図が掛かる。普通の休憩と昼休憩を挟んで、それを何度か繰り返す。其の内、試験は終わった。
窓の外を見れば、茜色に染まり掛けていた。
「お疲れ様、結果はまた後日連絡するから。その時も学校に来るように。その頃には制服も届いている筈だ」
「はい、有難う御座いました」
試験会場である教室を出て、校門を目指す。其の際、山の方から生徒がチラホラ出てきた。その生徒達がE組である事は直ぐに判った。
極力目立たぬ様に歩く。まぁ、私服の時点で目立っているのだが。
……嗚呼、ほら、何人かが此方を見ているわ。お願いだから話し掛けて来ないで。久し振りに勉強したから変に疲れてるのよ。
そんな私の願いは叶い、誰も話し掛けて来なかった。
校門の近くには、見慣れた車が停まっていた。それに凭れ掛かっているのは、車の主であり、私の夫の中也。
彼は私の存在に気付くと、軽く手を振った。
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バンビ(プロフ) - ちっぺさん» コメントありがとうございます!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!表現の仕方面白くて思わず笑っちゃいましたww更新頑張ります! (2017年5月17日 2時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタク様(プロフ) - ちっぺさん» ありがとうございます!楽しみにして下さっている方がいるのが分かり、凄く嬉しいです!脱スランプになり早く更新するようにします! (2017年5月16日 20時) (レス) id: 110a1a14b8 (このIDを非表示/違反報告)
ちっぺ(プロフ) - この小説とても好みで面白いです。更新がんばってください、更新されたらば私は舞い上がって馬の上でコサックダンスを踊り出してしまうかもしれないぐらい好きです(^ω^) (2017年5月16日 17時) (レス) id: 74c0eac0d3 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - のんのさん» コメントありがとうございます!!そう言って下さり、嬉しい限りです!しかも応援まで…!これからも頑張ります! (2017年4月10日 2時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタク様(プロフ) - のんのさん» コメントありがとうございます!これからも楽しんでいただけるよう、頑張ります! (2017年4月9日 22時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヲタク様 バンビ x他2人 | 作成日時:2017年3月30日 19時