検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:24,009 hit

●苦味6% ページ8

椚ヶ丘中学校に着けば、生徒達から異様な視線を向けられる。それも仕方無い。何せ、今の私は私服で校内へと這入ったのだから。




制服は無いから着れなかったのよッ!!……否、特別着たい訳では無いんだけれどね。





本校舎への入口に行けば、教師らしき女性が居た。そして私を見ると、伊藤さんかな?、と訊ねてきた。








「は、はい!今日は宜しいお願いします!」


「うん。じゃあ、試験会場まで案内するから」


「はいっ」







挨拶、見た目、そして少し緊張している今の私は完璧(パーフェクト)。何時も下ろしている髪は三つ編みにして大人しめな子を印象付け、尚且つそれを演じる。屹度、彼女に好印象を与えられているだろう。




試験は五教科。打っ付け本番だけど大丈夫の筈よ。伊達に彼の人の部下じゃなかったもの。







「ここが試験会場よ。試験官は1教科ずつ代わるからね」


「はい、有難う御座います!」






自分でも思うけど、本当に「善い子」よね。今の私。




試験迄は未だ時間が有るので勉強する。A組に這入れなかったら後々面倒だからだ。



試験開始時間間際に成ると、試験官に声を掛けられる。勉強する手を止め、机に向き合う。




用紙を配られ、時間に成れば合図が掛かる。普通の休憩と昼休憩を挟んで、それを何度か繰り返す。其の内、試験は終わった。




窓の外を見れば、茜色に染まり掛けていた。







「お疲れ様、結果はまた後日連絡するから。その時も学校に来るように。その頃には制服も届いている筈だ」


「はい、有難う御座いました」






試験会場である教室を出て、校門を目指す。其の際、山の方から生徒がチラホラ出てきた。その生徒達がE組である事は直ぐに判った。



極力目立たぬ様に歩く。まぁ、私服の時点で目立っているのだが。




……嗚呼、ほら、何人かが此方を見ているわ。お願いだから話し掛けて来ないで。久し振りに勉強したから変に疲れてるのよ。




そんな私の願いは叶い、誰も話し掛けて来なかった。




校門の近くには、見慣れた車が停まっていた。それに凭れ掛かっているのは、車の主であり、私の夫の中也。




彼は私の存在に気付くと、軽く手を振った。

●苦味7%→←苦味5%



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
87人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

バンビ(プロフ) - ちっぺさん» コメントありがとうございます!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!表現の仕方面白くて思わず笑っちゃいましたww更新頑張ります! (2017年5月17日 2時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタク様(プロフ) - ちっぺさん» ありがとうございます!楽しみにして下さっている方がいるのが分かり、凄く嬉しいです!脱スランプになり早く更新するようにします! (2017年5月16日 20時) (レス) id: 110a1a14b8 (このIDを非表示/違反報告)
ちっぺ(プロフ) - この小説とても好みで面白いです。更新がんばってください、更新されたらば私は舞い上がって馬の上でコサックダンスを踊り出してしまうかもしれないぐらい好きです(^ω^) (2017年5月16日 17時) (レス) id: 74c0eac0d3 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - のんのさん» コメントありがとうございます!!そう言って下さり、嬉しい限りです!しかも応援まで…!これからも頑張ります! (2017年4月10日 2時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタク様(プロフ) - のんのさん» コメントありがとうございます!これからも楽しんでいただけるよう、頑張ります! (2017年4月9日 22時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ヲタク様 バンビ x他2人 | 作成日時:2017年3月30日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。