聖夜.6 ページ49
目の前が滲んで鮮明になる
寒さで頬の感覚が鈍くなっているけれど
きっと涙が零れたのだろう
女の涙で訴えてるみたいで心底格好悪いな
『お願い....ふたりじゃないとダメなの』
寒さと涙で鼻はグズグズで、人に伝わる言語が話せているかも怪しい
2人がどんな表情をしているかももう分からないくらい涙はが溢れる
自分がどうして泣いているかも分からない
悲しいのか、怖いのか。それともこんな風にしか役に立てない自分への怒りなのか
マ｢わかった。後ろに乗れA｣
龍｢まったく世話がやけるお姫様だな｣
俯いて涙を拭う私の手をそっと取ってマイキーのバブに乗せてくれる
ずっと泣いたままの私を乗せて緩やかに走り出す
龍｢教会っつったらこっちか｣
マ｢あれ、ケンちん｣
マイキーが顎で遠巻きに視線を誘導した先には黒龍の特服を着た男たちが集まっていた
近くにバイクを止める
マ｢三ツ谷のバイクだ｣
すぐ側に停められていたバイクを見て小さくこぼす
『みんなが今、中で戦ってるの。勝手してごめんなさい....だけど、私は』
龍｢わかってる｣
言い訳をしようと出た言葉はあっさりとした一言でとめられてしまった
その声音は決して怒っているようではなく、静かに、ただ私の気持ちを認めてくれたようだった
ただそれだけの事なのに、また目頭が熱くなる
こんな簡単に当たり前のように受け入れてもらえることが
嬉しいようで申し訳なかった
嘘ばっかついてごめん
利用してごめん
『ありがとう』
こんなしょうもない言葉で
みんなを丸め込んで利用して思いどうりにしようとして
ごめんなさい
許してなんて言わないから
一生気づかずに
当たり前の日々を過ごす未来を
信じていて
絶対に私がそんな未来をみんなにあげる
それがみんなを利用した私の償いだから
黒龍へと向かっていく2人の幼くも逞しい背中を見送りながら
ひとり
誰にも届かない贖罪を空に向かって吐き出す
傷つくみんなを
これからも私は見殺しにしていかなくては行けない
『場地さん....これで....良かったんだよね』
あの時、命を分け与えてくれたあの笑顔に顔向けできないけど
精一杯頑張るって約束したから
『戻ってきたら怒られちゃうかな』
黒龍とやり合う怒号を自分への罰だと目を逸らさずに見つめる
苦しくて仕方がないけど
それでも
明日は続いていくんだ
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らくす。 - 初めましてです！久しぶりにこんなに面白い作品に出逢えて、心が踊りまくっております！！！お身体に気をつけながら、頑張ってください！楽しみに待ってます〜🤭🤍 (2022年8月21日 19時) (
レス) id: d0420b5049 (このIDを非表示/違反報告)
凹凸(プロフ) - 響さん» 響さん！！初コメありがとうございますー！！大好き以上！？嬉しいです〜🥺頑張って完結まで走ります笑 (2022年8月20日 21時) (レス) id: ddef768a5b (このIDを非表示/違反報告)
凹凸(プロフ) - きなこだいふくさん» ありがとうございますー！！今ちまちま書いてますのでもう暫くお待ちくださいませ☺☺ (2022年8月20日 21時) (レス) id: ddef768a5b (このIDを非表示/違反報告)
響 - 1日で読みました〜！好みすぎてやばいです！！大好き以上の言葉を投げたい（？）追いかけ続けるので頑張ってください！ (2022年8月2日 13時) (レス) @page50 id: c19490a4d5 (このIDを非表示/違反報告)
Luna - 7も楽しみにしています。ゆっくりでいいので無理しない程度に頑張ってください (2022年7月30日 21時) (レス) @page50 id: bd02c67dc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凹凸 | 作成日時：2021年12月30日 1時
