逆ハーは別に狙ってない！×6【東リベ】

聖夜.3 ページ46

本当に私のことを気に入らないらしい稀咲は決してこちらに顔を向けることなく怒りを滲ませた声音で問いかけてくる


『どうもこうも。あんたらの思惑くらい私が気づかないと思った？』


ズッと鼻を啜って余る袖に手を隠して寒さに耐える


この時代の不良はみんなこんな寒い格好で過ごしてたとか正気じゃねぇななんて考えながら


半間を引っ張って階段に座らせるとその足の間に座った


『ざぶい....』


縮こまる私の頭の上に顎を乗せて私を包むように腕を前に組む半間


どんな顔をしてるのかわからないが多分私が何を考えてるのか分からないと思ってるんだろう


依然、稀咲は立ったままだ


修｢騙されてるってわかってて俺の腕の中に来るとかお前バカ？｣


そう言って私の両脇を抱えて少し持ち上げたあと胡座をかいたその上に私を乗せる


『ん〜。別に私も大寿が来ても止めるつもりないからなぁ』


修｢じゃあ何しに来たんだよ｣


珍しく笑いもせずに聞いてくる


『何しにかぁ....何してるんだろうね』


後ろの半間にもたれ掛かるように顔を見上げる


冷めた目で見下ろす半間に小さく笑って見せる


そんな顔してたんだ


『私のこと縛って2人とも逃げなくて良いの？』


そう聞くと驚いたように目を見開く


修｢....一緒に来るか？｣


『行かないよ。私は私のやることがあるもん』


鉄｢....行くぞ｣


稀咲は私を無視して歩いて行ってしまう


『じゃーね』


半間の足の上から降りると私も稀咲とは違う方へ歩いた


そんな私の後に着いてくる半間


『え、なんでこっち来るの』


修｢何すんの？｣


『えぇ....タカちゃんを待つだけだけど....』


どうでも良さげにふ〜ん。と零し、立ち止まる私と一緒にその場で止まる半間


聞きなれたバイクの音に振り返る


『タカちゃん』


私の声に三ツ谷は顔を上げるが、半間の姿に顔を強ばらせる


再び私に目を向け、近づいてくる


三｢悪かった｣


そう言って頭を下げる


私は驚くことも無く、静かに次の言葉を待った


三｢この前の言葉....お前のこと傷つけたよな。本当に悪かった｣


『....私もごめんなさい。タカちゃんの気持ち何も考えれてなかった....。でも。おはちのこと黒竜に引き渡したことは許さない』


私の言葉に三ツ谷は頭を下げたまま後ろに組んでいた手を強く握りしめた


事情を知らない三ツ谷からしたら私の行動の方が現実的ではないのは分かってる


だからこれは少しの八つ当たり

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