逆ハーは別に狙ってない！×6【東リベ】

怒ってる.3 ページ4

竜｢Aこっちに来い｣


珍しく命令口調の竜胆


いつも"おいで"って言ってくれるのに


『やだ。怒ってるもん』


真｢当たり前だろう。いいからこっちに来て座れ｣


有無を言わせない真一郎さんの言葉に渋々リビングに行き、床に座る


しかし、無言で蘭に持ち上げられソファに座らされる


怒ってるくせに優しい


3人は机を囲むように床に座った


蘭｢なんで俺らが怒ってるかわかる？｣


『怪我したから？？』


蘭｢ちげーよ｣


竜｢それも怒ってるけどな｣


じゃあなんだろう....


芭流覇羅に行ったこと？でもそれは抗争前に話した時には何も言ってなかったし


真｢腹の傷、何でできた？｣


『え、あ....』


自分で刺した


蘭と竜胆はそれを見ていたし、真一郎さんに伝わっていてもおかしくない


『自分で刺しました....』


真｢だよな｣


机に頬杖をつく真一郎さんの顔が怖くて俯く


蘭｢なんで自分で刺した？｣


『圭ちゃん....仲間が私を庇って刺されたの見てついカッとなっちゃって....』


俯く私に容赦なく質問が投げかけられる


マジで怖い


圧が....


自分が悪いことがわかってるから余計にいたたまれない


竜｢俺らがどれだけ心配したかわかるか？心臓が止まったって聞いた時、どんな気持ちだったか｣


その言葉に目が潤む


全く分からないわけじゃない


それこそ3人ともこの数年間ずっと私を大事にしてくれていた


何をしようとただ黙って見守ってくれていた


『....ごめんなさい』


この怪我については結果オーライなんて言葉で片付けていい事じゃないことくらい馬鹿な私でもわかる


溜まった涙が服を握りしめる手の甲にぽたぽたと落ちる


座っていたソファが沈み込み、誰かが隣に座ったことがわかる


それでも顔をあげられずにいると、頭ごと包み込むように抱きしめられる


蘭｢生きて帰ってきてくれて良かった。こんな思い二度としたくねぇよ｣


頭上から蘭の声


後ろから優しく背中を撫でる竜胆


腕の隙間から覗くと呆れたように優しく笑う真一郎さん


『ごめんなさい....』


竜｢刺した時絶対痛かっただろ。こんなこと二度とすんな｣


そう言って傷を服の上から優しく撫でられる


その温かさにさらに涙が溢れる


『ごめんなさい。ごめんなさい』


縋るように蘭の腕の中でひたすら謝る


私も圭ちゃんに庇われた時、多分同じくらい心配と怒りの混じった感情があった

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