逆ハーは別に狙ってない！！！！！【東リベ】

信じて.2 ページ8

『そっか』


虎｢違うよな！？裏切ったわけじゃないよな？｣


今にも零れそうなほど涙を溜めた顔を勢いよく上げる


手は固く組まれ、その力で手の甲が赤くなるほど


近づいてその手をそっと優しく取って解く


赤くなった手の甲を撫でる


『かずくん。今日ここに来ること誰かに言った？』


と聞けば気まずそうに


虎｢....場地には....言った｣


『そう。少し待ってて』


そう言って場地さんに電話をかける


2コールほどで出ると、直ぐに怒鳴り声が聞こえてきた


声がデカすぎてなんて言ってるのか聞き取れない


『圭ちゃんうるさい！！！！』


私が怒鳴り返すと電話の向こうで静かになる


『色々言いたいことがあるのはわかったから今からうちに来れる？』


場｢一虎もそこにいるんだろ。わかった｣


私の言葉を待たずに通話を切る場地さん


やっぱりこの抗争はこの2人を巻き込むように進んでしまうのだろう


それならそれぞれに警戒してもらった方が良い


一虎が言ったのが場地さんでまだ良かった


これがマイキーやドラケン、三ツ谷ならきっと説明しても理解して貰えなかっただろう


『少し待とっか』


一虎の隣に座って安心させるように手を握る


『そうだなぁ。じゃあ場地さんが来るまで少し昔の話しようよ』


困惑した顔で私を見つめる一虎


『そう言えば昔、2人で海に行ったよね。みんなで来ようって言ってたのにまだ行けてないね』


虎｢....そう言えばそうだな｣


『来年は行けるかな？』


虎｢行きてぇな｣


やっと笑う一虎


大丈夫だよ。私の未来にちゃんと東卍のみんなはいる


嫌いになんてなるわけが無い


稀咲の言葉を信じ切らないでいてくれてありがとう


一虎の肩に頭を乗せる


『かずくんは泳ぐよりもギャルのお姉さんに夢中になりそうだね』


笑いながら言えば"そんなことねぇし！"と慌てたように否定される


少し落ち着いてきたらしい一虎はさっきよりも柔らかい表情をしている


少ししてインターホンが鳴り、一虎に声をかけて部屋を出る


真｢おう。圭介だったから入れたわ｣


既に真一郎さんが出てくれていたようで、直ぐに部屋のインターホンが鳴る


『真一郎さんありがと』


そう伝えて玄関に向かう


『圭ちゃん来てくれてありがとうっ！？』


もはやタックル


そしてデジャブ


扉を開けた瞬間に場地さんに追突される


これはほぼ事故


痛い


『圭ちゃん。かずくん待ってるから。あと痛い』

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