逆ハーは別に狙ってない！【東リベ】

3しゃい.3 ページ8

涙の滲んだ目で思わず2人の方を見ると2人とも眉毛を下げた顔でこちらを見ていた


そのまま耐えきれなくなった涙がポロッと落ちたのを合図に


自分の本当の歳も忘れて


『ふっう....うわああああん』


泣き出してしまった


竜？｢え、えぇ....｣


蘭？｢マジか｣


竜？｢どうしよう、兄ちゃん｣


蘭？｢俺ガキのあやし方とかしらねぇ....｣


2人の困った声がうっすらと耳に届くが、痛みに涙は止まらない


『ふぇぇぇい"だい"ぃぃ』


鼻声で必死に痛いと訴えてみると2人はオロオロとAの近くに寄ってくる


蘭？｢マジどーしたら良いのこれ｣


蘭(仮)がAの真横にヤンキー座りをし、指さして竜胆(仮)に問いかける


『だっこぉ』


Aはグズグズ鼻水を垂らしながら蘭(仮)に両手を広げてみせる


竜？｢だってよ兄ちゃん｣


蘭？｢だっこって....はぁ｣


蘭(仮)はため息を吐いて恐る恐ると言ったようにAの脇腹をつかみ持ち上げる


竜？｢兄ちゃん。それ多分違う｣


蘭(仮)は脇腹を掴んで持ち上げたまま、Aをぶら下げていた


すかさず竜胆(仮)がツッコむ


蘭？｢あ〜....あんな感じか｣


室内の親子を横目でチラッと見ると片腕でしっかりと太ももを支え、自分の体にAの体を預けさせた蘭(仮)


やばいキュン死する


てかいい匂い


髪柔らか


ていうか声変わりまだなんだね....


ダメ元でのおねだりも聞いてもらえ、原作では見れなかった若かりし推し(仮)に会えて尚且つこの供給


全国の東リべファンに殺されるかもしれん


そんなしょうもない事が頭をぐるぐると周り痛みも引っ込む


ただ涙も鼻水も止まらない


蘭(仮)の服をぎゅっと握り締めズビズビ鼻を鳴らすと蘭(仮)が背中を優しくポンポンと叩く


蘭？｢痛かったなぁ。すぐ手当してやるからな〜｣


間延びしたゆったりとした口調で安心させるように言う蘭(仮)


蘭(？)｢竜胆〜、絆創膏持ってきて｣


竜｢わかった｣


今、竜胆って言った！？竜胆って言ったよね！？


竜胆は小走りで屋敷の中に入っていった


『りんど？』


涙はなんとか止まり、鼻をすすりながら呂律が回らない舌で確認してみる


蘭(？)｢ん。りんどう、な。俺の弟｣


優しい声で答える蘭(仮)


私がじっと蘭(仮)の顔を見つめていると


蘭(？)｢俺は蘭ね。ら、ん｣


やっぱりだ....


蘭ちゃんと竜胆だぁ....


ほぼ確信に変わった私は胸が熱くなるのを感じた

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