逆ハーは別に狙ってない！【東リベ】

良かったと言える.4 ページ44

解決しようと先走りすぎて周りが見えていなかったのは自覚している


原作から逸らしたいくせに、原作通りじゃないと予想外のことに対応できないからという矛盾に、1人で何とかしようとしすぎたんだ


『ごめんね』


マ｢俺らってそんなに信用ないか？お前一人守ることくらい、みんなが面倒に思うと思った？そんなに頼りない？｣


『違う！違うよ！』


マ｢じゃあなんで....！お前が病院に運ばれたって聞いてっ！みんな心配してっ！｣


マイキーがこんなに取り乱すと思わなかった....


ドラケンの時も確かに泣いてはいたが、本人の前でもみんなの前でも決して涙は見せなかった


病院に運ばれたと言っても死ぬような怪我じゃない


骨にヒビが入れば熱は出るがそんなものは数日で引く


今も少し熱っぽいが怪我した当日ならこんなものだろう


『ごめん。ごめんね。みんなのこと頼りないとかそんな事思ってない！ほんとだよ。ごめん』


私は必死に謝ることしか出来なかった


初めて見るマイキーの姿にどうしていいか分からず、ずっとマイキーの手を握りしめていた


マ｢俺もごめん。Aのこと責めたい訳じゃないんだ。2人のこと、止めてくれてありがと｣


落ち着いてきたマイキーが言う


マ｢俺さ、2人が俺のこと大好きなの知ってんだ。だから今回のことも俺のためって聞いた時、怒りよりもちょっと嬉しかったんだ

結果的にAのおかげで兄貴も無事だったから言えることだけどな

もし、あいつらが盗んだバイクを貰ったとしても俺は素直に喜べなかったし

もし兄貴が死んでたらと思うとぞっとする

本当にありがとなA｣


小さい声で言葉を探すように話す


握っていた手に力籠っているのがわかる


『うん』


それしか言えなかったけど


守りたいもの、ちゃんと守れたこと


怪我はしたけど、マイキーがこれからも笑っていられること


それだけで良かったと言える


マイキーの誕生日にはきっと笑って過ごせるだろう


原作まであと2年


それまではお休みだ....


それからまたマイキーと眠りにつき、次に起きた時にはみんながいて、こっぴどく怒られたのだった

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