お館様のお子様はのびのびと生きたい。【鬼滅の刃】

卅陸　「嘘の笑顔はする側も少なからず辛い」 ページ36

その後は伊之助からの攻撃を避けつつ前へ進んでいたら、私の鴉(花丸)が頭に乗って言った。





「Aハ南南東ノ任務ヘト急ゲ！！！俺ノ出世ノ為二！！」


『はいはい』





花丸を追い払う。
伊之助は飽きたのか木に突進していた。最初からしててほしかった(正直)

遠くに飛んで行く花丸を見ながらそんな事を思っていると羽織を引っ張られた。





「嘘すぎじゃない！？ねぇ！！何でAだけ任務なの！？ここまで一緒だったのにいきなり別行動とか聞いてないんだけど！！！」


『言ってないし、そもそも僕も今始めて知ったからねぇ』





抱きしめて来て耳元で鼓膜を切る勢いで叫ぶ善逸を苦笑いしながら軽く抱きしめ返す(してる場合か)
私も行ってみたかったんだけど____藤の花の家紋の家。

炭治郎に未だに泣き叫び続けている善逸を引き剥がしてもらった(言い方)





『無傷で済んだんだから、人助けとお館様の為に動かないと』


「優しい所も大好きだけどさぁ！しばらく会えないんだよ！？無理無理無理。Aが視界に入らないと俺、生きてる心地しねぇよ！！！」


「きもちわりぃ奴だな」


「こら伊之助！」





炭治郎の腕から逃れて再び抱きついて来る。
いや本当に鼓膜切れそう()

両手で耳を抑えながら友人の背負っている箱にチラリと目を写す。
炭治郎にどういう経緯で、意志で鬼を連れてるのか聞きたかった。

あの時に友人の為に守る選択をしなかった私が聞いて良い事ではないけれど。





「ん？どうかしたか？」


『...ううん。何でもないよ』





優しい友人にどこまで踏み込んで良いのか。
それが分からなくて、笑顔を張り付けて嘘を吐く。

腰辺りに居る婚約者(仮)を友人に渡して、『また』それだけ言って振り返らずに走った。

卅漆　「掴まれたら振り払う事が出来るのはきっと凄い精神を持ってる人」→←卅伍　「確認させて」

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