その２５：深読みしすぎて失敗するやつ ページ27
「えっと、それはどういう？」
「そのままの意味ですよ。六連星さん、選手としてここに来たときからずっと辛そうですし……」
「……ええと、本当にそう見える？」
悲しそうに眉をひそめる一星の姿を、先入観からほたるはどうしても「気遣いのできる優しい人」とは捉えることができなかった。
たしかにこのありえない状況にはとてもうんざりしているし、できれば家に帰りたいと思っているのも事実だ。けれど、ほたるは不思議とこれまでに「辛い」と思ったことはなかった。
──面倒くさい、先が思いやられる、できればマネージャーがよかった。
ほたるはことあるごとに頭の中にかなり後ろ向きな言葉を並べてきたが、一見それはすべて「辛い」という感情と結びつくようで、決してそうではないものばかりだった。
そう考えると、なんだか
だからこそ、ほたるはそう返したのだ。果たして彼の目には、本当にほたるが「辛そう」に映っていたのだろうか……と。
「……」
「……あ。せっかく気遣ってくれたのに、こんな言い方ないよね。ごめん！ ……でもさ、安心してよ。たしかに"これからどうなることか"って思うと毎日胃が痛いけど、不思議と辛いって思ったことはないんだ」
黙りこくってしまった一星に、ほたるは急いでそう付け足す。
あろうことか、彼女は「彼が本当に善意で気を遣ってくれた」という可能性を考えてはいなかったのだ。
ほたるは感情に流されずに客観的に物事を捉えることができる理性的な人間だとばかり思っていたが、どうやら意外とそういうわけでもないのかもしれない。今回に関しては、完全に先入観に思考が支配されていた。
一星はしばらく黙り込んでしまっていたが、たちまち顔に申し訳なさそうな表情を浮かべると、「いえ。こちらこそ、勝手に"辛そう"だなんて言ってごめんなさい！ 不躾でした」とぺこりと頭を下げた。
「あ、いやいや。別に怒ってるわけじゃないしさ。お互い様っていうか……これからもお互い頑張ろう！」
「はい！ ……あ。足、止めちゃってすみません。今度こそ食堂に向かいましょうか」
「うん、そうだね。お腹空いたなあ」
隣で色々な話をしてくれる一星の表情は、いつもと変わらない優しげな笑みに戻っていた。
「……その化けの皮、いつか絶対に剥がす」
「え？ なんか言った？」
「いえ、なんでも。晩御飯、楽しみですね！」
──その真意は読めない。
その２６：楽しそうで何よりです→←その２４：顔を合わせるたびに若干ピリつくのはなんなの
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こめこ(プロフ) - 猫宮さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません…！ なんと！ 物凄い偶然ですね…！！ ぜひ、今後とも夢主の行く末を見守ってやってくださいませ( ´ ▽ ` ) (2020年4月22日 16時) (
レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
猫宮 - ウチの考えと夢主ちゃんの考えが一致しとる、すげー((((；ﾟДﾟ))))))) (2019年10月28日 17時) (レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - くーちゃんさん» コメント並びにお祝いのお言葉、誠にありがとうございます（ ; ; ）全作品を通して更新頻度にばらつきがありますが、これからもそう言っていただけるようなお話が書けるよう頑張って参りたいと思います！ (2019年6月29日 19時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
くーちゃん(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！こめこさんが書くイナイレのお話はどれも面白く、楽しませてもらってます！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年6月8日 4時) (レス) id: 3f70a533d9 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 辺銀ヾ(･ω･`*)さん» のわ〜〜辺銀さん！青い鳥の方ではお世話になっております…！ ！応援のコメントありがとうございます、これからものんびりと頑張って参りますね( ´ ▽ ` ) (2019年6月3日 21時) (レス) id: 67fc292324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2019年3月8日 7時
