その１００：なんと面妖な！ ページ8
☆
それから数日後。アジア予選第四試合であるサウジアラビア戦を翌日に控える中、その日は野坂考案の特訓を行うべく、イナズマジャパンのメンバーがこぞって室内グラウンドに集まっていた。
相変わらずほたるの頭痛は治らないままだったけれど、それでも最初の頃に比べれば、痛みはかなり和らいできた方だと思う。この前のように頭痛で動くことすらままならなくなる、なんてこともすっかり無くなったし、今や頭痛を伴う生活が日常のようなものだった。
「明日対戦するサウジアラビアにも、オリオンの使徒はいるはず。これまでの傾向から、彼らがラフプレーを仕掛けてくるのは容易に想像できます」
ほたるはほんのりと痛む頭のことは特に気に留めずに、稲森たちと共に野坂の話に耳を傾ける。彼らの視界には、細長い木製の箱のようなものが二つ並べられただけの、なんとも面妖な光景が広がっていた。
用途も使用方法も謎なそれに、剛陣は思わず「で、何だよコレは？」と食い気味に尋ねる。ほんのりと冷や汗を垂らす彼の表情とは裏腹に、野坂は爽やかな笑みを浮かべながら「監督が用意してくれた装置です」と答えた。
「今日は明日の試合に向けて、ラフプレーを
「はい」
そう言って西蔭が手元に持っていたスイッチのボタンを押すと、それに伴って例の奇妙な装置がガタガタと音を上げ始める。
「こんな風に、左右から連続して襲ってくる攻撃を躱していくんです」
野坂は左右の装置から仕掛けられる攻撃を足踏みで躱しながら、徐々に前へと足を進めていった。対ラフプレー用の装置と銘打たれているだけあって、装置の攻撃を仕掛けてくる部分は人の足を模してある。
意外なことに、ほたるはそれに対してあまり嫌な顔をしていなかった。
彼女なら絶対に「こんなサッカー上級者向けの特訓、私なんかにできるわけないじゃん」と開口一番に文句を垂れるかと思っていたけれど、どうやらそういうわけでもないらしい。寧ろ、妙にワクワクしているような……ほたるの双眸は、たしかに好奇の色で輝いているように見えた。
「それじゃあ、早速始めましょうか」
その１０１：いや、出来ないんかい→←その９９：優しさが身に染みるぜ
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coopee - 初めてコメントさせていただきます！久々にイナイレの占ツクをあさっていたら、まさかこんなにも素敵な作品に出会えるとは思ってもいませんでした。主さんのペースで、完結まで頑張ってください！ (2021年2月18日 17時) (
レス) id: 2eec394d2f (このIDを非表示/違反報告)
鮭の神様(元 レオ)(プロフ) - わぁぁぁぁ！！！続きが更新されてる…！！！楽しみにしてました！！！更新ありがとうございます！！！変な時間に申し訳ございません。これからも無理せず頑張ってください！ (2021年1月25日 2時) (レス) id: 86c31a4b24 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 奏さん» 大変長らくお待たせしました…！！変なところで切ってしまってごめんなさい；超マイペースではありますが、これからも完結目指してなんとか頑張っていこうと思います…！コメントありがとうございました！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 華兎くんさん» ご心配をおかけしました…！長い間お待たせしてしまい申し訳ないです。これからも楽しんでいただけるよう頑張ります、コメントありがとうございました！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - ゆめのわたしさん» コメントありがとうございます。大変長らくお待たせいたしました…！完結までお届けできるよう、これからも頑張っていきます…！！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2020年5月1日 21時
