全力前進無限大

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「なあなあ！自分めっちゃダンス上手いな！！！」


汗をかきながら興奮気味に声をかけてきた、笑うと八重歯が目立つ子。
その後ろで、色白長身の子も黙ってじっとこっちを見てる。

屈託のない笑顔でガンガン喋る八重歯くんと、
ほとんど喋る事はないけど、話は聞いてる色白くん。



「…なあ、村上喋りすぎやて…」


「は？ええやんけ！急な代役であそこまで踊れるって凄いやん！！
あ、俺は村上信五な！で、こっちの白いのが横山侯隆っちゅうねん。」


「白いのてなんやねん！てか勝手に俺の名前言うなや！」


「あぁ？ええやんけ！お前絶対人見知りやろ？
この世界に入ったんやったら、知り合いは多い方がええやないか！」


『…っ(笑)二人ともめっちゃおもろいなぁ…！何かもう仕上がってるやん(笑)』



今日のオーディションに合格して、即ステージに上げられた子達らしい。
即ステージデビューって無茶苦茶やん…(笑)
着替えの為に楽屋に戻ると



「あああぁぁぁああーーーーー！！！！！」



って大声で叫んで全力で駆け寄ってきた１人の子。




「やっと…見つけた…！！僕の、王子様！！！」




この子は 何を 言うとんやろか…



汗だくになりながらキラキラした目で、ウチの両手をギュっと握りブンブン振ってくる。
あまりの勢いに呆然としてたら隣に居た村上くんが



「おま…なんやねん！僕の王子様って！！！」って爆笑しとる。


腕で口元隠してるけど後ろに居る横山くんも
めっちゃ笑ろてるのバレてるからな…！！！




「あの！僕！９月のオーディションの時廊下で会って！
あ…覚えてへんかも知れんけど！丸山…隆平言います！！」



やっと会えた…名前言えた…！って嬉しそうにしてる丸山くん。
忘れてへんよ、不安で泣きそうな顔からヘニャとした笑顔に変わった事。
そう伝えたら顔を真っ赤にして、益々眉毛を下げて照れていた。


そっから皆で自己紹介して。
横山くんと村上くんはちょっと年上、丸山くんは同い年。
今度皆で遊ぼうや、なんて約束をして解散した。

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