全力前進無限大

えんやこらせデビュー編 ページ11

【天下のＪ事務所！20年ぶりの女性タレントデビュー、
しかも前代未聞の男性アイドルグループに紅一点！！】



デビューの時に週刊誌に載った。
ある事ない事いっぱい書かれて。
ジュニアの時から７人の事を好きなファンの人の一部は
やっぱりいい気がしなかったみたいで、
予想通り、中々厳しい意見ももらったり。


でも少しずつ関西ローカルのバラエティ番組にちょこっと出させてもらったり
とても『アイドル』がするような事じゃない仕事も全部引き受けた。




デビューの時に事務所が発表したウチらのグループコンセプト



【奇跡的なバラバラ個性のぶつかり合い！年齢性別の壁超える、∞の可能性】



って、でっかいフリされてしもて(笑)
「女だから甘くみてもらってる」とか「女のくせに」なんて言われないように
必死に食らいついてきた。


そしてようやく迎えたCDデビュー。
PV撮影がまさかの白ホリにポツンと和太鼓１つ。
あとどっかのビルの屋上で撮影っていうなかなかのモンやったけど
出来上がったCDサンプルをもらった日は皆で泣きながら喜んだ。



元々東京進出してた年上３人、NEWSでもデビューしてた亮ちゃん。
他の皆も単品での仕事が重なって忙しく、中々全員で会えない日が続いた。




「や〜、噂は聞いてたけどほんと美形だよねぇ！
男の子か女の子か触らないとわかんないくらい！
ちょっと確認させてもらってもいい？」



肩を抱きながらヘラヘラっと悪ノリでセクハラまがいの事をしてくるディレクターさん。
悪い人やないんやけど、流石にちょっとなぁ…
いやいや、ハハハ。なんて乾いた笑いで誤魔化しながら局の廊下を歩く。
はよ楽屋入りたい…




「おいゴルァ！A！お前まだこんなとこおったんか！
もう楽屋全員揃っとんぞ！！」


『！信ちゃん…！うわぁ！ごめんー！
あ、すいません。メンバー待ってるみたいなんで失礼しますー！！』


「すいません！うちのAが！ほな失礼しますー！」



助かったー！！
中々逃げれんかったから信ちゃん来てくれてほんま助かった…
２人でダッシュで楽屋に逃げ込んでお礼を言う。




『信ちゃんほんまごめんなぁ…あの人話長いし助かっ


「A、お前ちょおそこ座れや。」



「Aおはよぉ！…って信ちゃんめっちゃ怖い顔してどないしたん…」


章ちゃんが不思議そうな顔をして寄ってくる。




「コイツ今廊下でセクハラされとんねん！」



「「「はぁぁあああ！！？」」」

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