TAKE１４ 「割りばしで軽く二時間は遊べる」 上 ページ19
今日、とある本丸で、使われていない割りばしが大量に発掘された。
こんなにあっても何に使おうか分からないと皆が頭を抱えていたとき、ある救世主がとあるゲームを提案した。
「王様ゲーム、しない？」
その瞬間、皆の心は一つになった。
そして今、審神者と数人の刀剣達(天下五剣含む)という、主に行動が予測できないメンバーでの王様ゲーム、もとい大将ゲームが開かれていた。命名は厚藤四郎である。
「せーのっ」
「大将だーれだ！」
輪になって座った刀剣と審神者が、割り箸の入った果物の空き缶を取り囲み、一斉に割り箸を引き抜いた。皆して誰だ誰だと隣人や向かいに座っている者の顔を横目で窺う。
「あ、俺っちだ」
自分の手に握られた割り箸を確認した薬研藤四郎が、今回の大将だった。
本当の大将であるはずの審神者は、一度もこのゲームで大将になっていない。またしても、と溜息を吐いた。
「じゃあ、二番が十一番に膝枕な。大将が三回決まるまでだぜ？」
「二番は私ですね」
数珠丸恒次が割り箸を掲げて言った。
「ぼ、僕が十一番です」
五虎退が割り箸をおずおずと自分の頭の横に挙げた。数珠丸恒次は正座したまま、自分の膝を軽く叩いた。
「さあ、どうぞ」
「す、すみません……」
後光さえ見える美しい微笑みをたたえた数珠丸恒次の元へ歩いていった五虎退は、申し訳なさからか涙目になっていた。五虎退はうろたえた挙句、恐る恐る膝枕をしてもらっていた。
審神者はその様子を見て、ほっと息を吐いた。何故なら自分が十二番だったからだ。天下五剣オーラを放つ浮世離れした麗人に膝枕をされるなら、誰でも罪悪感と共に自主的に謝ってしまうだろう。
「箸集めるよー」
乱藤四郎が声をかけ、刀剣達は各々の割りばしを隣人に渡し合った。
爆弾ゲームの如く一点に集まった割り箸をまとめ、缶に入れた秋田藤四郎が、缶を横に振って割り箸をシャッフルした。
「さっきは危なかったねえ。君が十二番だったんだろう？」
「なんで分かるんだよ」
審神者の隣に陣取ったにっかり青江が審神者の背中を叩いて可笑しそうに笑った。
「体中から『危なかった』っていう雰囲気がにじみ出ているよ」
「え、嘘だろ」
「冗談だよ」
にっかり青江が輪の中央に置かれた空き缶から割り箸を抜き取ったのを見て、審神者も急いで割り箸を手に取った。
中々大将が名乗り出ないので、その場にいたメンバーたちは隣の刀剣に「誰だ？」と訊きあった。
手を挙げたのは、審神者だった。
「厠行ってくる」
TAKE１５ 「割りばしで軽く二時間は遊べる」 下→←TAKE１３ あれは結局なんだったんだ
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いなほん(プロフ) - 最゛高゛で゛す゛……!!!!素敵なにっかりさんをどうもありがとうございました！ (2016年12月4日 17時) (
レス) id: eb5ee429dc (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - 拳銃さん» すみません、御指摘ありがとうございます。次のお話で、書き方を変えてみます…。 (2016年9月16日 21時) (レス) id: 873a9a633f (このIDを非表示/違反報告)
拳銃(プロフ) - もう少し間を開けた方が読みやすくなりますよー。はっきり言ってこれ読みにくいですね。二、三行で良いので間隔取ってくださいね(´-ω-`) (2016年9月15日 23時) (レス) id: d214872701 (このIDを非表示/違反報告)
ルサルカ(プロフ) - 新鮮な鉛筆(２B)さん» ありがとうございました！電車の中なのにニヤケちゃいました！www更新のんびり待ってるのでのんびり頑張ってくださーい！応援してますw (2016年9月9日 19時) (レス) id: 2218d295b6 (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - ルサルカさん» 「待つ」ですか、リクエストありがとうございます！また時間が開いたら書かせていただきますね。 (2016年9月4日 8時) (レス) id: 451b47dddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新鮮な鉛筆(２B) | 作成日時：2016年8月10日 13時
