小さな背中、大きな優しさ【ワールドトリガー】

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なによ突然……


いくらなんでもわけがわからない



頭にカッと血が上りそうになるがどうにか
それを堪え平然を装い尋ねる







「……何よ突然」









すると向こうも平然とした顔で言い放つ




「そのままの意味だよ。

Aは無理してる。昔はそんな感じじゃなかった」









それは一番欲しくなかった答えだった

まだ弱くて何も出来なかった頃の自分のことなんて…









「昔のあたしと比べないでっ！！」







頭で考えるより反射で口を開いていた


思いの外大きな声だったようで周りも驚いた
様子で遠巻きにこちらを窺っている




鋼も普段の眠たげな目を見開いている









「……っ」









やってしまったと思ったが一度放った言葉は
どうやったところで取り消せない






今はこれ以上余計なことを言わないうちに
ここを離れよう








鋼の顔は見ずにくるりと背を向け歩き出そうと
したが進めない









「手、離して」





掴まれた左手は痛くはない

けれど離れることは出来ない絶妙な力加減だ









「離したらAはまた俺を置いて行くだろ？

このままで良いから少しだけ話を聞いてほしい」

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