"第一幕 揺れ動く幕開け" 5話 ページ6
「ふーん、ミーティングねぇ…」
イズミは興味無さげな表情で、ちらりとグラウンドの木陰でミーティングしている五人を見据える。
ベンチにまで聞こえる怒声が響いてきたと思えば、時折静かになり、たまにタジマとミハシの驚くような声が聞こえたり。と、ミーティングが円滑に進んでるのか、いないのか。よく分からない状態なのが今の状況。
「あーあー…阿部はまた怒鳴ってるし…」
「ま、大丈夫だろ。あっちには田島がいるんだし、三橋を上手くフォローしてやれるだろ」
「疑問なんだけど、何で今ミーティングしてるの?」
髪は短く切り揃えられ、頬骨のでたとても賢そうな青年が話に加わる。
サカエグチが言うには、この青年が“ニシヒロ”というらしい。公式戦では、主に補欠、伝令に回っているという。ヤキュウ初心者みたいだ。
「モモカンに言われたとか?」
「わざわざ休憩時間にミーティングやれなんて言わないでしょ。ていうか、休憩終わった後ミーティングやるっていってたじゃん」
「だよなぁ…」
「ねー、どう思う〜?」
と、ミズタニは私に視線を向ける。
ー何故流れ弾を私によこすんだ。
スヤマとサカエグチが喋っているの聞こえなかったのだろうか。
君たちに分からない事を私に聞かれても、“分かりません”と言うしかないでしょうに。というか、喋れない私にミズタニは何を期待しているのだろう。
「お前な〜…無理難題押し付けんなよ…」
「だぁって、田島も言ってたじゃん!声が聞こえる〜って!!」
「んじゃ水谷わかんのかよ。」
「…むむむ、むむ…」
間近で睨み付けられてもな…。
発声器官のない私にどう言葉を音に出せと言うんだ…。
「ばーか、真面目に捉えんなよ。田島には分かったとしても、お前じゃ無理だろ」
「ーーむむ、分かったぞ!!」
「マジで」「マジか」
…まさかの展開。
本当に私の声が聞こえたんだとしたら、全部筒抜けじゃ…。
「オレのことカッコいいてさ〜いや〜照れちゃうね!」
「「「…………」」」
ーアホらしい。
真面目に考えてた私が馬鹿みたい。
とはいうものの、実際ヤキュウをやってるメンバーは全員カッコいいと思っていたのも事実。
勿論、監督のモモエもマネージャーのしのーかちょも、私にとっては物凄く眩しくてカッコいい存在なのだけど。
手足があり、思考があり。
そんな存在に、私は憧れる。
「さー!!休憩時間終わるよー!水分取ったね?今からミーティングするから、集まってー!!さぁほら、早く!!」
"第一幕 揺れ動く幕開け" 6話→←"第一幕 揺れ動く幕開け" 4話
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うみしお - hina hihohoさん» 皆好き…すごく分かります!皆個性的でカッコいいですもんね〜。ついつい応援したくなっちゃいます。 暖かいコメントありがとうございます、もっともっと頑張りますね!^^ (2017年12月4日 14時) (レス) id: 1a7d18c6c3 (このIDを非表示/違反報告)
hina hihoho(プロフ) - うみしおさん» そうなんですよねぇ〜。阿部くん田島くんが多くて...私は泉くんおしです!沖くんも大好き!てか、皆好き!これからも頑張って下さい! (2017年12月4日 7時) (レス) id: 0035085ab5 (このIDを非表示/違反報告)
うみしお - hina hihohoさん» コメントありがとうございます。おお振り内じゃ沖くんが一番好きなのですが、沖くんの夢小説があまりにも無くて…自分で書いてしまいました…!沖くんは本当に癒しですよね、わかります…! (2017年12月4日 2時) (レス) id: 1a7d18c6c3 (このIDを非表示/違反報告)
hina hihoho(プロフ) - おお振りの夢小説を書いている仲間がいた!沖くん癒されますよねぇ〜。私も好きです! (2017年12月3日 9時) (レス) id: 0035085ab5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:うみしお | 作成日時:2017年11月28日 23時