【銀魂】ドSとチャイナ娘と団長さんとドーナツと…

43幕 ドキドキするのはお互い様 ページ46

「うう…どうすればいいネ」

神楽の嘆きにも似た声が誰もいない万事屋に響く。
あれから数日が経った。未だあの時の熱は彼女の体が忘れさせてくれない。

『ココにいんのは…俺の気に入った雌豚でィ』

ふと、神楽の悩みの一つであるあの言葉が脳内自動リピートされた。

「…あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!////」

またしても脳内で"自動"再生された事に恥ずかしさを感じ、壁に穴を開けるは、屋根を丸ごと吹き飛ばすは、大暴れした。

「何で何で何で何で！！"自動"再生になるんだヨ！これじゃドMになってしまうネ！」

肩でゼイゼイと息をしながら神楽は残骸だらけの万事屋を見渡すようにして瓦礫にもたれた。
ーー大体、あの台詞ってなんて捉えれば正解アルカ⁉私には告白されたかと思…

「うわああああああああ！！」

新たに浮かんだ思考を打ち砕くように神楽は頭を床に打ち付ける。もう穴が空きそ…←
そして、居ても立っても居られずついに万事屋を飛び出した。
こうなったら直接聞くしかない！私の心を惑わすあのドS野郎に。

屯所に着くと、女禁制など知ったこっちゃなくズカズカと入り込み沖田を探す。
途中で何人かの隊士に止められたが、全て殴りをかました。

そして何となく着いた部屋の前で探していた彼の寝息が聞こえた気がした。

「…ここアル」

神楽はそーっと障子を開けると、そこにはアイマスクなしで机に突っ伏して眠る沖田の姿。思わず見惚れるほどに綺麗な顔が露わにされていたため、神楽は息が止まるかと思った。

「…やっぱり、お前はずるいネ。私ばっかりドキドキさせて…楽しんでるのカ？」

神楽は沖田の向かいに座ると同じように机に突っ伏し、彼を愛おしそうに見つめて目を細める。
すると、

「…んな訳…ねェだろィ」

微かに聞こえた言葉。聞き間違いかと思った。
端整な顔が神楽を少し熱を含んだ緋色で見つめる。

「お前ェのデレ言葉で目ェ覚めた…」

それを聞くや否や神楽の顔は一気に熱を帯び、ワタワタと誤魔化そうと首を左右に振る。

「ち、違うネ‼私はただお前に聞きたい事が…」

「寝言は寝て言え」

すると、いきなり沖田は神楽の手を引き側に来させた。

「お、オイ！引っ張んなヨ‼」

「…黙ってろ」

突如耳元で甘く囁かれた。その瞬間、沖田に甘くされたように神楽もビクッと甘く体が痺れる。
そして不器用に抱き寄せられた。沖田の胸が耳にあたり、そこからドクドクと振動が神楽に伝わる。

「…ドキドキしてるの、お前だけじゃねェよ」

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