【銀魂】ドSとチャイナ娘と団長さんとドーナツと…

32幕 こんな激甘シーンは望んでない ページ34

〜神楽side〜

サドに気づかれた。見てたの。


サドは私の瞳から何か読み取るかのようにジッと見つめた。
私の心臓の鼓動パネルが悲鳴をあげ、今にも心臓発作で死んでしまいそうだ。
……いや、マジで！！！！


「…何でそんな顔で見てんの」

「っみ、見てないヨ！！じ、自意識過剰アルお前！！！////」

「いや絶対見てただろ。勝手に人を自意識過剰者にするんじゃねェや」


私は何かに急に弾かれたように視線をサドから逸らした。
サドはその態度にムッと顔をしかめた。


「うっさいアルナ！み、見てないって言ってんダロ！// 私もう帰るネ！！」


これ以上ココにいたら確実に私の心臓はお陀仏アル！！
何とかこの気持ちが溢れてしまわないように早くサドから離れなきゃ…


「待てよ」


でもその場を離れる前に私はサドに掴まれた腕によって引き止められた。
コイツは私の腕を掴んだまま、自分の方へと私の身体を引き寄せた。


「うひゃっ…⁉ …っな、いきなり何するネ…！？」

「まだ質問に答えてもらってねェ。帰すわけにはいかねぇな」

「だから……、それは見てないって言ってるアル！////」

「じゃあ何でこんな面白そうな顔してんの…？」


するとサドは私の腕を離したと思ったら、目を逸らす事は許さないとでもいうようにいきなり私の顎をクイッと眼前に向かせた。そう、まるでこの体勢は今にもカップルがキスするような体勢。
野郎はサディスティックな笑みを浮かべ、私のこの体勢を楽しんでいる。


「オ、オイ！// いい加減にするヨロシ！！こっ、こんな体勢…カップルがちゅーする時だけなの分かってんのカ⁉////」

「……してぇの？」


と、さらにドス黒い笑みを深めるサド。私はもうドキドキし過ぎてあまりの刺激に死にそうだ。
ただでさえ今のコイツの大人な色気で死にそうなのにもうもちそうにない。
コイツは私を殺す気だ、私の心を。


「…なんてな、そんな事する訳ねェだろィ。面白かっただけでィ」


と、からかいを含んだ口調で言うとパッとコイツの腕が私から離れた。
それが何故か名残惜しい。



「……マジ意味わかんないアル」


(コイツの一つ一つの仕草にときめいてしまうのも、あの男らしい腕が名残惜しいと感じるのも…)



サドは私のぽつりと呟いた声は聞こえなかったらしく暑くて脱いだ上着を片肩に担ぎ、



「じゃあな、クソチャイナ」



と、いつものように悪態をついたのだった。

33幕 切なげなクソチャイナバカ娘→←31幕 なんだかんだ言って恋

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す