36幕 気に入った雌豚は腕の中 ページ39
神楽side
分からない。分からないアルヨ。
何でコイツは、今…、こんな時…、優しくするんだヨ…。
「何で優しくするアルカっ!!!!」
私はヤツの胸に拳をあて泣き叫んだ。
「…何でヨ……」
ホントに分からない。
……いつもは意地悪い顔してからかう癖に…。いつもケンカ仕掛けるのはそっちな癖に…。腹黒で…、ドS野郎の癖に……。
……私の事、好きじゃない…むしろ嫌いな癖に……。
何で……?
サドは黙りこくっていた。身じろぎひとつしないで動かなかった。
そんなサドと反比例し、そいつの胸に押し当てたままの私の拳は震えていた。
私は俯いたまま何とか声を絞り出す。
「……何とか、言えヨ…。ドS野郎…」
「………」
「……っ⁉」
…一瞬、目の前が暗くなっただけだと思った。
でも、違った。
サドは黙ったままだったが、いきなり胸にあてられていた私の右腕の手首を掴むとそのまま自分の方へと引き寄せた。
私は抵抗する余裕もなく真っ直ぐサドの胸に倒れる。
「なっ…⁉お前……」
何とか逃れようとサドの胸板を押したが、今の私には力がうまく入らず抵抗しようとしてもより一層腰に回った腕に力が入るだけだった。
「暴れんな」
「………ッ」
恥ずかしい…。胸が苦しい…。
はず、なのに……
「……サド」
「……今、…確かめてんだよ」
意味分かんない。さっさと離せヨ変態…。
そう言ってやりたいのに……
「…お巡りがいたいけな少女、こんな事して…いいのかヨ…」
「…へ、どこにいたいけな少女がいるんでィ…」
「お前の腕の中に、いんダロ」
「…違ェよ。ココにいんのは……」
……嫌じゃないって勝手に思ってしまう。
「…俺の気に入った雌豚野郎でィ」
……どうしても、振りほどけなかった。
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胡乱 - 読ませていただきました!もうホント最高ですた!d(´▽`)bもともと沖神は好きだったんだけど威信のことよく知らなくて…でもめっちゃ好きなりました!!続編も楽しく読ませてもらいます! (2018年3月30日 12時) (レス) id: eb800c7b82 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い鯰尾君可愛い亀ちゃん大好き!!! - すっごく面白いです!沖神最高ですね!威信も良いし………はぁぁ………最高です。続編も頑張って下さい!直ぐ見に行かせて貰います!応援してます! (2018年2月27日 17時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
プリンちゃま(別垢)(プロフ) - nonさん» ありがとうございます!(`・ω・´) 更新私も頑張りますので、nonさんも頑張ってくださいね!応援してやす (2017年8月16日 16時) (レス) id: 5afe51ca08 (このIDを非表示/違反報告)
non(プロフ) - うぉおぉお!!最っ高でしたー!見させていただきました!凄く良かったですよーー! (2017年8月14日 20時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
チョコマシュマロ(プロフ) - 最高でした! (о´∀`о) (2017年4月8日 8時) (レス) id: 3e9931ebd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:交差点プリン x他3人 | 作成日時:2016年7月28日 22時