1章~ジジィになってもあだ名で呼び合える友達を作れ~ ページ1
穏やかな昼下がり
暖かな日差しの注ぐ和室で
お気に入りのアイマスクをつけ目を瞑る
気づけば寝入っていた
「くー……くー……」
起きているけど目は覚めない。
否、覚ましたくない
そう思ってると、いつの間に居たのか
とある男の声がした
「フッ、とうとう尻尾出しやがった……」
なんて決めたやつに
何一人で笑ってんだか、と突っ込んでみる
その後、直ぐに山崎って言ってたから
少し恥ずかしくなった
多分、トリップしたんだと気づいた時からはや10年
今日もこうして仕事をサボっとく
ストーリーは覚えてないけど、人は覚えてる
だから、まだあったことない主人公とか、ヒロインとかが気になってる
まぁいつか会えるよなって軽く考えながら
再び眠に落ちようか……
「くー……ぐっ!」
頭に何かの衝撃
そこまで痛くはねぇけど、カサカサしてて硬い
多分紙かなんかを丸めたやつ
寝る気も起きなくなって体を起こす
「お前、よくこんな爆音の中寝てられんな」
……爆音?
「……爆音ってィ、また爆弾犯防げなかったんですかィ?
何やってんだよ土方さん真面目に働けよ」
「もう1回眠るかぁゴラァ」
今度は永眠させられかねないような低い声で言われたけど
なんだかんだこの人俺に甘い
ちなみに、爆弾犯ってのァ
最近、飛脚を使った爆弾事件が流行ってるからそのこと
多分攘夷派の連中だ
真選組の晴れ舞台だなんだだ言ってる土方さんを横目に
未だ寝ぼけてる目をこする
「ふぁぁ、眠ィ……」
「おい、行くぞ。
たくっ、お前女なんだから欠伸ん時くれぇ口隠せや」
「うるせえな土方コノヤロー」
軽い言い合いをしながら、
隊服を整えて愛刀を手に取った
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作者名:青石 | 作成日時:2019年1月4日 18時