隣の松野家が今日もうるせぇ。

トド松視点　番外編 ページ24

日曜日。


ボクは居間でスマホを眺めていた。


十四松兄さんと一松兄さんは素振りでいないし、チョロ松兄さんはアイドルのライブ。


カラ松兄さんはいつもの通り、カラ松girlとかいう一生現れないであろう人を捜しに行っている。


いつもならおそ松兄さんが絡んでくるんだけど…。


今日はAちゃんとのデートでいない。


ハァ…まさかおそ松兄さんに先を越されるなんて思ってなかったなぁ。


しかも相手は散々おそ松兄さんのことを嫌ってたAちゃんだなんて…。


今でも信じられない。


ボク以外誰もいない空間は、いつもの様子からは想像もつかないほど静かだ。


…兄さんたちがうるさくて、一人になる時間が欲しいって思ってた時があった。


けど…こうして一人になってみると、ものすごく心細くて寂しい気持ちになる。


おそ松兄さんとAちゃんのことは、確かに先を越された悔しさや寂しさがある。


でも、すごく応援してるし、二人が幸せそうにしている様子を見ると、


なんだかこっちまで嬉しくなってくる。


それと同時にイチャつくなよってイラつきもあるけどね。


おそ松兄さんは、本当にAちゃんのことが好きだったみたいだし。


でも、やっぱり


「寂しいなぁ…。」


おそ松兄さん。


ボクの兄さん。


うるさくって、とんでもないバカで、信じられないくらいのクズで、ゲスで、


でも、優しくって、ボクたちのことをよく見ていてくれているおそ松兄さん。


そんな兄さんをなんだかAちゃんに取られちゃったみたいで寂しい。


けど、やっぱり嬉しくて。


本当は、この先どうなるのかずっと心配だった。


ずっと、こんな風に、六人でバカやってくのも、いいかなって思ってた。


そう思ってたけど、やっぱり心のどこかに、いつまでもこのままいられるわけないって不安があって。


彼女ができたら変わるのかなとか、働いたらみんなバラバラになっちゃうのかなとか、


色んな不安が、ボクの中で渦巻いていた。


でも、おそ松兄さんたちは、いつもと変わらなくて。


一つ、変わったことと言えば、


家族が一人増えたことだけ。


Aちゃんはすんなりとボクらの中に溶け込んできた。


まるで、元々そこにいたみたいに。


ボクの不安を取り消すみたいに。


何が起きても、ボクは、松野家の末弟なんだって。


それが、なんだかすごく嬉しかった。


「よし、ボクも早く彼女作ろっと。」


ボクは一人、そう呟いた。

一松視点　番外編→←閲覧注意！夢主絵＋自分絵おそ松（キル坊作）があります。

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