レゾンデートル【名前変換オリジナル】

第一話。 ページ1

もしも、この世界を漫画やアニメで表すのならば。


きっと私は、名前すらでてこないモブだろう。


みんなはそれぞれ得意なことがあって。


それはまるで、宝石の原石みたいなもので。


磨けば磨くほどキラキラと光り輝く。


自分には、得意なものがないだなんて思っている人は。


ただ、自分じゃ気が付いていないだけで、意外なものが得意だったりする。


それなのに。


どうして私には、なんにもないんだろう。


皆の胸元にはあんなにもキラキラと輝く宝石があるのに。


前は気にならなかったこと。


しかし、中学生にもなると、他人と自分の違いがはっきりとわかってしまうようになるものだ。


私は今までずっと、なんにも考えずにぼーっと生きてきた。


中学校までは教育義務があるから、大して苦労することなんてないから。


でも、高校は受験をしなければならない。


だから、中学三年生にもなると、いろんなことに敏感になる。


去年までは…どうってことなかったことなのに。


いつしか、気が付いてしまった。


私はとてつもなく、平凡な中学三年生だということを。


悪いところもそりゃあるけれど目立つほどじゃないし。


良いところもそれなりにあるけれど、人並みだ。


何かに優れているわけではないし、


全くもってダメだというわけでもない。


全て、人並み。


きっと私は、この世界のモブ的存在。


私は昔から、人の優れたものが宝石のように見えるという全くもって意味のない能力を持っていた。


その能力を生かす術があったなら、きっと私にも誇れるようなものがあったんだろう。


でも、私はこの能力を生かす術を持ち合わせていない。


だから、人並みなのだ。


別に、羨ましいとか思ってるわけではないけれど。


ただ、単純に不思議なだけ。


一体、私と彼らの何が違うのか。


それが気になっただけ。


ただ。


このまま、何にもないままだと、きっと将来苦労する。


そんな漠然とした考えがあるだけ。


だからといって、私にできることなんて何にもないし。


どうしようもないことなのだ。


努力とか、そりゃやったらやった分、自分の能力になるんだろうけど。


でも、私は努力ができない。


やる気がおきない。


やればいいじゃんって言われても困る。


どれだけ言われたって、やる気は起きない。


やる気は自分じゃどうしようもないんだから、しょうがない。


そんな理由をつけて、楽がしたいだけだってことも、本当はわかってる。

第二話。→

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