第三十話。 ページ31
「お姉様は、お勉強とかどうなさってるんですか?」
リーレナの言葉に思わずむせた。
「げえっほげっほげぇえっほ、」
「むせ方ジジイかよ。ぐはっ!?」
うるさいと言おうにもむせてて言えないため、とりあえず生意気なウルキオは殴っておいた。
「お姉様大丈夫ですか!?あぁ、大変!!どうしよう!?」
ただむせただけなのにうっすら涙を浮かべて慌てるリーレナは、同じ女性ながら可愛いと思う。
「げぇっほ、大丈夫、えっほ、気にしないで…。」
ただリーレナの言葉を聞いてあることに気づいてしまい、
思わず飲んでいた紅茶が変なところに入ってしまったのだ。
「ほ、本当に大丈夫なんですか?」
今にも泣き出してしまいそうなリーレナの頭を撫で、宥める。
「大丈夫大丈夫、もう落ち着いたから。」
「それなら…いいんですが…。」
それでもリーレナはシュン、とした様子でもじもじと指を動かしている。
…私らしくないことは非常によくわかってるんだけど、
うん、とりあえず可愛いな。
「…すみません、私が余計なことをお聞きしたせいで…。」
リーレナは泣き出しそうになりながらそう言う。
…なんでこの子はこんなに自分ばかり責めてしまうのか…もう少し図々しく生きてもいいんじゃないの?
「別に変なこと聞いてないんだから、堂々としてればいいじゃん、堂々と。一応今は公爵家の娘なんだからさぁ、もうちょっとこう…凛々しくしてなよ。」
リーレナを励ますつもりで言った。
だが、それはどうやら逆効果だったようで…。
「す、すみません、すみません、私みたいなのが公爵家の娘だなんて…皆さんに笑われてしまいますよね、公爵家の皆さんにご迷惑を…すみませんすみません!!」
リーレナは泣き出してしまった。
Why?なぜ泣く?私おかしなこと言ってないよね?ちゃんと励ましてたよね!?
「あーあ、泣かせたな。お前はそろそろ自分の目付きの悪さを自覚したほうがいいぞー。」
ウルキオは面白がって私にそんなことを言ってくる。
え…確かに釣り目ではあるけどさぁ、でもさぁ、そこまで恐れられるくらい怖くはないでしょ?
ねぇ、そこまで目付き悪くないよね?ねぇ?
って、そんなことしてる場合じゃなくて。
早くリーレナを泣き止ませないとうるさい公爵がやってくるじゃん!!
「レナ、ごめん、私はただレナを励まそうと…」
「したけど素直に言えなかったと。」
ウルキオ、お前後で舌引っこ抜いてやる。
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ポチ - そうだったんですね。ごめんなさい。こちらこそ、勘違いしました。明日も寒いらしいので体調には気を付けて下さい。 (2023年2月15日 17時) (レス) id: 07a8a54005 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - ポチさん» お久しぶりです。こちらは復讐ものの小説の中に入ってしまった主人公のお話であり、この小説自体が復讐系のお話なわけではないです…。申し訳ありません。 (2023年2月15日 16時) (レス) @page27 id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - こんにちは。お久し振りです。こちらも復讐系ですか。私、復讐系好きですよ。 (2023年2月15日 14時) (レス) id: 07a8a54005 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - 桜都葉さん» あはは。あー、私もそのくらいしか覚えてませんよ。(※一応作者です)そもそも覚えられないような名前をしてるのがいけないんです(※名前を考えたのはこの人です)はい!更新頑張ります! (2023年1月30日 13時) (レス) id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
桜都葉 - キル坊さん» あ、なるほど。二人じゃなくて良かった。(←ちょっとコイツ罰あたり)登場人物…恥ずかしながらレオンフィーナちゃんとウルキオしか覚えてない…。神の名をすべて忘れた!なぜだ!?(←罰あたりだし、頭の容量少ないから)更新、頑張ってくださ〜い! (2023年1月29日 0時) (レス) @page17 id: 16abf5aa00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キル坊 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/okitakarum1/
作成日時:2022年12月28日 14時