第四十四話 神威サイド ページ45
『別に悲しくなんてないけど?アホ毛くんの目が悪いんじゃない?』
あいつはそう言って俺から目を逸らした。
「それで俺に隠せると思ってるの?俺は、アンタが思ってるよりもずっと長い間アンタのことを観察してたんだ、アンタの表情を見間違えるわけない。」
俺が嫌いなのはわかる。
けど、なんで、”素の私”で話したら嫌われる、なんて思ってるんだ?
俺は、今のアンタより、前のアンタの方が…
「!?」
『…?なに、アホ毛くん。用事、これだけなら私もう行くから。神楽ちゃん待たせちゃう。』
そう言ってあいつは俺が引き留める間もなく去って行ってしまった。
ここで追いかけたらもう少し話せたかもしれない。
けど、俺はそれどころじゃなかった。
「(今、俺は、何を考えた…?)」
さっき、とっさに思ってしまったこと。
その気持ちの整理がつかない。
今のアンタより、前のアンタの方が…
その先、俺は何て考えた?
俺は…
考えるまでもない。
俺はさっき…
「(前のアンタの方が好きだ…なんて。)」
これは…どういうことなんだ?
俺はその場にしゃがみこんだ。
…こんなの、俺らしくない。
なんで、俺はそんなこと…
今まで、一度だって女に興味を持ったことなんてなかった。
そりゃ強い奴とか、からかいがいのある奴とかは除くけど。
それ以外で、興味を持ったことなんて…。
なんで、俺は…。
そんなはずない。
何かの間違いだ。
違う。
そんなことを考えていると、ふと先日の風紀委員の言葉が頭をよぎった。
――――――――あらら、惚れさせるはずが自分が惚れちまうなんざ、お前もまだまだだねィ。
「っ!?」
嘘だ。
こんなのあり得るはずがない。
よりによってあいつに?
あり得ない。絶対に。
そんな思いを嘲笑うかのように顔に熱が集まる。
「(あー…嘘でしょ…。)」
これは…認めざるを得ないかもしれない。
神楽の名前を出されて腹が立ったのは…嫉妬ってこと?
あいつが距離を取るようになってますます腹が立ったのは…構ってほしくて?
一度理解してしまうと、今までわからなかった全ての感情に結び付く。
と、同時にとんでもない羞恥心に襲われる。
俺…すっげぇ幼稚なことしてたかも。あれって、全部…
あいつが、好きだから…?
「あー…やばい…どうしよ…。」
あまりの恥ずかしさに顔を隠す。
とりあえず…
あいつのこと、誰にも渡したくないや。
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キル坊(プロフ) - 十四松saikouさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいお言葉ですが、こちらの作品は銀魂の夢小説なんです…すみません。作品が完結できたら新しい夢小説を書こうかなと思っているのでそちらをおそ松さんの夢小説にさせていただきます! (2022年6月20日 8時) (レス) id: 811c0a9312 (このIDを非表示/違反報告)
十四松saikou - 作品名に惹き付けられました!おそ松さん大好きなのでこういう小説はよく読みます!更新頑張ってください! (2022年6月19日 18時) (レス) @page4 id: 8e02c4fff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キル坊 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/okitakarum1/
作成日時:2021年11月13日 18時