第四十三話 ページ44
「…また逃げるの?」
アホ毛くんのその言葉に、思わずドキッとした。
逃げる…か。
アホ毛くんにはバレてしまっているらしい。
私が、アホ毛くんに対して仮面をつけて話していること。
だから、嫌いなんだよ。
アホ毛くんはこういうとき無駄に鋭いから。
本当に…とことん面倒臭い野郎だ。
『逃げる?何言ってんの、ちゃんとアホ毛くんについてきてあげたじゃん。アホ毛くんが話したいことがあるっていうから…。』
「誤魔化さないでよ。本当はわかってるんだろ?俺が言いたいこと。」
アホ毛くんはいつもの笑顔ではなく、真剣そうな顔でそう言う。
………本当に気に食わない奴だ。
『……アホ毛くんさー、ほんっとバカだよね。それはわかってるのに、なんで私がこういう風に接してるかわからないなんてさ。』
アホ毛くんの全てが嫌いだ。
いつも余裕そうな顔して、
いつも私に構ってきて、
いつも、私を困らせて。
その、私をまっすぐ見つめる澄んだ青い瞳も大っ嫌い。
私の血みたいな赤い目が、余計に醜く、惨めに見えるから。
「バカだから、アンタの口から直接聞きたかったんだよ。そうでもしないと、俺には理解できないんだよ。だからさ、逃げてないで教えてよ。」
嫌い、嫌い大嫌い。
そのバカ正直なところが、あの子に似てるから。
あの子の姿が、アホ毛くんに重なるから。
だから、嫌い。
きっと、私は、これからもずっと…。
『………嫌いなんだよ。』
私はそう、小さく呟いた。
『嫌いなんだよ、何もかも。アホ毛くんの存在自体が嫌いなの。だから、”素の私”で話したら嫌われると思った。
でもアホ毛くんはいつまでも絡んでくる…面倒臭くなったんだよ。どうせ突き放しても絡んでくるなら、皆と同じでいいやって思った。それだけだよ。
…これで満足?』
……本当は。
本当は、初めから、仮面を外して話すつもりなんてなかった。
でも、なぜか。
アホ毛くんの前では素の私になってしまったんだ。
きっとそれは、疲れていたせいなんだ。
だから休憩してただけに過ぎない。
休憩が終わって、また仮面をつけただけ。
それだけ。
…そのはずなのに…。
「…………それが本当なら、なんでアンタは、
そんなに悲しそうな顔をしてるんだよ。」
なぜ私はアホ毛くんの前だと、
素の私でいたくなってしまうのだろう?
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キル坊(プロフ) - 十四松saikouさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいお言葉ですが、こちらの作品は銀魂の夢小説なんです…すみません。作品が完結できたら新しい夢小説を書こうかなと思っているのでそちらをおそ松さんの夢小説にさせていただきます! (2022年6月20日 8時) (レス) id: 811c0a9312 (このIDを非表示/違反報告)
十四松saikou - 作品名に惹き付けられました!おそ松さん大好きなのでこういう小説はよく読みます!更新頑張ってください! (2022年6月19日 18時) (レス) @page4 id: 8e02c4fff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キル坊 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/okitakarum1/
作成日時:2021年11月13日 18時