【wrwrd！】群青。 (ページ10)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,661 hit

9話ページ10

シャオロンside

おかしいな、とは思った。

いつもトントンに引きづられて
頼りない声を上げながら食堂に来る
鬱先生の姿が一向に見えない。

…オマケに折角の食事の場だというのに
毒素は全く喋ろうともしない。

何も言わず、黙々と目の前のものを食べている
まるで葬儀に来た人みたいな顔で。
そんな顔してたら飯不味くなるでwと
普段なら煽りを入れるところだが
そんな雰囲気じゃなかったし、なんか
怖かったからやめた。

そんなふうにぼーっとしてたら
knsm「要らないんやったら俺もらうで！」
sha「は！？」
コネシマに肉取られた。
…いいって言っとらんぞ俺。
sha「おまっ！返せや！！」
knsm「食べへんお前が悪いやろ！！」
…と、これが原因でお馴染みの喧嘩が始まり
俺はすぐにそう考えていたことを忘れて
キャンキャンと喚いていた。

食事の後、総統室まで来るようにと
グルッペンから収集がかかった。

gr「…諸君らに言わなくては
ならない報告がある。」

真剣なその顔は改めて彼が我々の総統であると
訴えかけるような何かがあった。
…発作が起きた時とは偉い違いや
なんて失礼なことを考えていたってことは
内緒にしといて欲しい。

重い口から開かれ紡がれた言葉は
残酷さを極めていた。
gr「…大先生が…いなくなった。」

一気に周りの空気が凍りつくのを感じた。
誰にも言わず、軍の幹部が居なくなるなんて
そんなの一つしか考えられない。
…………逃亡だ。
しかもインカムも置いていったらしい。
でも何故？大先生がいなくなる理由なんて…
そこでハッと思い出してしまった。
数日前のことを。

〜数日前〜

sha「ッ、また負けた！」
俺ことシャオロンはその時めちゃめちゃ
腹が立っていた。なんでって…
訓練で惜しいところでゾムに押し負けたから。
…数えとらんけど
五連敗ぐらいしてるんやないかな。
ほんとあの強さはどっからくるのか不思議やわ
でもほんとにあと1歩のところだった。
その後1歩が届かなかったことが悔しくて。
シャベルをずるずる引きづっていた。
と、そんな中俺とばったり会ったのが

utu「お！シャオちゃんやん！どしたん？」
大先生やった。
…あの時の俺はアホやったと思う。
悔しいから、腹が立ってるからって
関係ない大先生を
いつもより強く煽ってしまった。
これじゃ八つ当たりだ。