【wrwrd！】群青。 (ページ5)

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4話ページ5

…城を出てどのくらい経っただろうかという
丑三つ時。

大先生はひたすら遊びまくっていた。

…手始めに酒を飲み、煙草を吸い
飲めや歌えや(1人で)で騒ぎまくったあと。

複数人の女(４８人)と久しぶりに会ったり。

彼の気分は城を出た時とは違いハイだった。

酒が入ってるせいか気分が高揚していた。

…ずっとこのままでもいいんじゃないかと思った

このままアイツらの元に帰ることもなく

1人で街で遊び呆けるのも、
案外悪くは無いのではないかと。

とんだクズの権化である。

…まぁ、そんな発想なんて
所詮酒の酔いが回ってるからに過ぎない。

酔いが収まってから気づいたのだ。

…孤独だと。

確かに、女は自分にとっては
命にも変わるライフライン。

しかし、だからなんだと言うのか。

何が満たされるというのか。

そんなの一夜限りの幸福感だ。

明日になれば、終わってしまう。

何も残らないし、何も掴めない。

何も得やしない。

寂しさが途端に襲ってきた。

utu「…帰ろっかな。」

皆の待ってる城へと帰ろう。

それにやっぱりとんちに怒られんの嫌。

夜のうちに帰って寝よ。

俺は帰るべき場所へ戻るため

街へと踵を返そうとした…その瞬間

utu「っ…！？」

いきなり背中に激痛が走った。

血が滲み出す感覚。

恐らく何者かに背後から刺されたのだろう。

…冷静に分析している暇やない！！

刺された背中が少し痛むが

俺は何とか体勢を立て直し

耳に付けてるインカムで連絡を取った。

utu「もしもーし！皆！」

…あれ、返答が来ない。

いつもなら夜であっても
インカム連絡だったら
誰かしら返してくれるのに。

utu「皆さん！？ねぇっ！？」

流石にこれはおかしい。インカムの不調か！？
そう思ってインカムの付けてある
耳元に手を伸ばせば…

何も無かった。

…要するに………

utu「しまった置いてきたぁあああああ！！」

ここにメンバーの誰かがいたら
きっと言っていたことだろう。

ウッソだろお前!

と。

しかし、今は1人なわけで。

誰もそんな鋭いツッコミなど
返してくれやしなかった。

…やばい、何とか…

あれ？…なんか、……体が動かない。

疲れか、酒か？

これまで感じたことのない眠気が俺に
降り掛かってくる。

utu「あ…」

ドサ、と力なく地面に落ちる。

もがこうとしても掴むのは地面の土のみ。

(誰か助けて…)

彼の小さい嘆きは誰にも拾われることなく、
眠りについた。