【wrwrd！】群青。 (ページ11)

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10話ページ11

sha「何、何や、大先生。
てかその書類どしたん。」

utu「あ、あはは…またガバッちゃって…」
痛い所をつかれた、と
鬱先生はへにゃりと笑った。

それが更に俺の苛立ちをヒートアップさせて。

sha「ホンットに無能やな、大先生。
いつもミスしてばっかりやん。
もうちょい頑張れや。」

…しまった、と思った時には遅かった。

大先生は一瞬だけ目を
苦しそうに歪めたかと思うと
すぐにまたへらへらした笑顔になり

utu「せやなぁ、頑張るわ。」

と言って俺に背を向けて
どっかに行ってしまった。

謝れなかった。なんか怖くて。
許してくれなかったらどうしようかと
戸惑ってしまって。口から謝罪の言葉が
咄嗟に出なかった。
…呆気にも取られていた。
アイツもあんな顔をするんだと思って。
ニコニコした顔した見たことなかったから。
あいつだって人間なのに。
傷つかないはずないのに。
……。

…どっちにせよ
人の傷ついてることを平気で言って
謝りも知らずに何も出来なかった俺は
「クズ」と皆から呼ばれる大先生よりも
よっぽど最低な野郎だ。

…自分の言葉に責任も、取れないような。

もしかしたら、大先生がいなくなったのは
俺のせいなのかもしれない。
…俺があんなことを言ったから。
……謝っていれば、許してくれただろうか？
………あんなに酷いこと言っちゃったのに
都合が悪くなったらごめん、なんて汚いか。

どんどん自責の念がグルグルと頭の中を回る。
あの時ああすれば。あの時にこうしていれば。
後悔は止まない。

他の皆も誰も何も言わない。

ショックなのか、はたまた俺と同様に
原因を知っているのか。

分からないが総統室はしばらくの間
沈黙に支配されていた。

息が上手くできなくて、肺が苦しかった。
口を開こうとすればからからで、
言葉は一つも紡げそうになかった。

唯一支配を破ったのは…

「まさか大先生が、
逃亡したって言いたいん？」

ゾムだった。

フードから隠れてよく見えないが
目には怒気が含まれており
拳は少し震えていた。

gr「あくまでも、現段階では…
という話だ。本当かはわからない。」
諭すようにグルッペンは言う。

zm「アイツはそんな奴ちゃう。
…黙って一人で出ていくような奴やない！
…なのにわかったような事…ッ！！」

けど、ゾムは一向に引く様子がない。

gr「…そういう誤解を招くような態度を
取ってしまったことには謝るから
とりあえず落ち着いてくれ、ゾム。」