【d!】超能力少女と我々だ！ (ページ11)

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6の話.対面ページ11

扉を開けて、見えたのは…

gr「…もっきゅもっきゅ(※咀嚼音)」

『・・・へ？』

可愛らしい咀嚼音を立てながら
ケーキを貪る、
ブロンズに近い髪色の人だった。

『…』
ﾊﾞﾀﾝ
驚き過ぎて即座に無言で
扉を閉める。←おい！

…あ、あの人が総統…？
い、イメージと違いすぎる…。

いや、確かに厳格な感じしたけど…
完全に至福の時を邪魔してしまった…
sn「？」
後ろのぺ神もキョトンとしてるし。

仕方ない。もう一回開けますか…
開けた先は…
今度こそ、真面目な顔をしていて
厳しい雰囲気を醸し出していた。
…確か、名前は
グルッペン･フューラーさんだったっけ？

gr「ｺﾎﾝ…先ほどはすまないな」
少し低めの声が響く。
バリトンボイスと言った方が
相応しいだろうか。
てか、無かったことにしようとしてる…
『あ、はい。平気ですよ。(苦笑)』

gr「具合はどうだ？」
グルッペンさんはそう聞いてきた。
そうだった。
さっきの事のせいで忘れそうだった。
この人が私を連れてきてくれたんだ。
…救われたんだから
お礼しっかり言わないとね

『…お陰様で元気です。
…本当にありがとうございます…』
倒れてた、と聞いた。
もし多分あのままほっとかれていたら
私は…野垂れ死んでいただろう。
感謝の気持ちを込め、頭を下げる。
そう考えると、この人は命の恩人だ。
頭を深々と下げていると、
「頭をあげてくれ」と言われ、
恐る恐る頭を上げる。

gr「…別に当たり前のことをしただけだ。
礼を言われる様なことはしてない。」
と言った。

…この人が総統、と
慕われる理由が分かった気がした。
カリスマ性オーラ…みたいな。
よく例えられないんだけど
彼のにある「何か」が、
我々国の軍をまとめ、
従えている事の一つなのかもしれない。

gr「…ここからがお前をここへ呼んだ理由
…言わば『本題』なのだが…」

『…ｺﾞｸﾘ』
途端、緊迫する雰囲気。
明らかに重要な話であることは明白だった。

gr「…お前がどうして
あの場所で倒れていたのか。
そして、お前がここへとやってきた経緯。
…お前の全てを話して欲しい。」

『…。』

経緯…要するに過去。
それを聞きたかった、という事か。

…話しても、いいのだろうか。

…すぐに自分の中に疑念が浮かぶのは
本当に私の悪い癖だ。
…会えば人に疑いの目を向けてしまう。

…けど、何故だかこの時。
この人になら、とそう思った。
その真っ直ぐな目を見据えて
私は決意をした。

語ろう、私の過去を。