【d!】超能力少女と我々だ!３ (ページ10)

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83話.残酷ページ10

…村に強い超能力を持つ少女がいるという
噂を聞きつけたカーシス国の軍は、
時々少女を勧誘しに、
わざわざ何度も押しかけてきていたそうだ。
…しかし、何をされても。
例え軍に村に火を放たれたとしても、
親は愛しき我が子を離さなかった。決して。
それは勇敢というのかはたまた無謀というのか
後者でないことを深く祈りたい。
…親の軍の意思に
刃向かう態度が気に入らなかった国王は
軍に命じ、少女の両親を殺害。
少女の目の前で処罰したとのことだ。
…幼き少女にそんな所業が絶えられるはずもなく
精神の限界か彼女は無意識に能力を発動させ、
村ごと焼け野原にしてしまった。

A『あ…』

そうだ。なんでわすれてたんだろう。

A『は、…あはははは。』

おかしいな。なんで、わすれてたんだろう。

あんなにめにやきついたこうけいだったのに。

A『ちがう。ちがう。』

【貴方達】は、わたしをすててなんてなかった

むしろ、すてたのは…

わたしのほうだ。

わたしのせいで、やさしいシアワセはこわれた

わたしのせいで、みんないなくなった

わたしのせいで、ちまみれになった

……

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

わたしのせいで

どうしてふこうしかよばないのに

シアワセ、なんてねがってしまったのかな

ばからしい。

わたしのせいで、シアワセになりそこなった

みんなのことわすれて。

ああ。

…いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ

いやでいやでいやでたまらない。

じぶんのことがきらいでしかたがない。

rbr「A、あ…の」

みんなだましてたんだ。

しんじてたのに。

おしえてくれなかったんだ。

しんじてたのに。

ここのみんなは、しんじてたのに。

すくってくれるって、たすけてくれるって。

なのに、なのに…

たえられない。

ここにいたくない。

ここにもいばしょはなかったみたいだから。

だれのこえもききたくない。

しずかなばしょにいきたい。

とおく、とおく。

だれのめにもとどかないばしょに、にげたい。

rbr「A…？」

A「…いかなきゃ」

rbr「え」

きづけば、はしりだしていた。