【d!】超能力少女と我々だ!３ (ページ19)

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90話.平和ページ19

???side
Aが今日、帰ってきた。
嬉しいけど、少し悲しい。
あの子だけは、助けたかったのに。
あの子にだけは希望を見せたかったのに。
何も出来ずじまいじゃないか。結局。
俺があの子に見せたのは
そんな綺麗なものじゃなくて、
もっともっともっと…どす黒いもの。
希望とは程遠い、そんなもの。
あぁ、こんな結末、望んでなかったのに。
???「つわはす、こんな所にいたんだ。」
聞き覚えのある声がふと耳に入る。
昔から聞いてきた、聞くだけで落ち着く声。
twhs「…P-P、どうかしたの？」
pp「ん、…別に。何もないよ。
なかなか眠れなかったし、暇だったから。」
優しく、ふわりとそう笑って、
相変わらずの笑顔で彼は言う。心底羨ましい。
どうしてそこまで素直に笑えるのか。
…俺には持ってないものを持っているのか。
pp「どうしたの、何か悩み事？」
twhs「…別に。」
そんなことを考えてしまった成果
素っ気ない態度をつい取ってしまう。
…ごめん、なんて言葉も出せない。
pp「…明日、我々国に攻め入るんだよね。
…Aちゃん、大丈夫かな。」
今日会議で改めて我々国侵略計画について
話をされた。
…少し前までその国にいたAにとっては
酷い話だ。…あの子は優しい子だから。
【彼女】と同じで。
pp「久しぶりの戦争だね…。
やっと平和になったと思ったのに。」
星空を見て、黒い瞳を向けたまま言う。
pp「僕達って、何のために戦ってるんだろ。
…それで平和になったことってないのにね。」
求めてるはずなのに、頑張っているはずなのに
届きもしない。…平和にはならない。
争いは増えていく。確かにそうだ。
沢山の国を取り込んだからと言って
この国は、この国の腐った中身は
変わらなかった。
twhs「…仕方ないよ、もう。」
俺らは【兵器】。【兵器】だ。
【兵器】に自由は無い。使われるだけ。
…俺らが意見を発したところで意味は無い。
結局考えたって無駄な話。
pp「…最近どうしたのさ。」twhs「？」
pp「笑ってないよ？つわはす」twhs「っ…！！」
刹那、思い出す記憶。
pp「つ、わ…はす？」
P-Pが手を差し伸べてきた。
けど、今はそれどころじゃない。
頭が熱い。熱い。
＿それ、全部俺が＿
twhs「……っといて。」PP「え」
twhs「ほっといて。…もういいから。
これは俺の問題だから。
P-Pは突っ込まないで。」
これ以上、誰かの未来を汚したくない。
傷つけたくない。見ないで。
pp「そっか。ごめん。戻るね。」
気まずそうな顔をしてP-Pは去ってった。