【d!】超能力少女と我々だ!３ (ページ11)

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84話.真相ページ11

はしって、はしって、はしって。

これじゃあ、まえとおなじだ。

なんで、なんで。

こんなたいせつなこと、わすれてたの。

わたしは…あのとき…

＿数年前＿
母「A～ちょっと手伝ってくれる？」
A『うん、分かった、今行くー！』
数年前、私は母と父と仲良く暮らしていた。
農作物は、確かにあんまり育って無かったけど
それでも何とか冬をしのごうと
家族3人で団結していた。
豊かでは無かったけど。
とっても楽しかったんだ。
周りからの私を見る目は相変わらず酷いもので
臭いものに蓋をするような態度を取られたけど
貴方達だけは差別なんてしなかったから。
私を優しく家へ迎え入れてくれたから。
大好きだった。
父「火が焚き終ったぞ～」
母「ありがとうお父さん。」
A『ご飯の用意手伝おっか？』
母「平気よ、A。ありがとう。
お母さんに任せなさい！」
丁度夕ご飯の時間。
私は、父と母とで料理の準備をしていた。
小さかったから
あまり手伝わせては貰えなかったけど…
A『早く座って食べよ！
お母さん！お父さん！』
母「はいはい、ちょっと待ってね…」
父「ご飯は逃げないからそんなに焦るなよ」
A『はーい！』
…こんな日々が、ずっと続くと思ってた。
ありきたりかもしれないけど、
今はそれしか言えない。
ｺﾝｺﾝ
不意に、ドアが何者かによって叩かれる。
A『お母さん、誰か来た！』
父「本当だな…誰だ？」
母「こんな時間に何の用かしら？
ちょっと、見てくるわね。」
…母は、不審に思ったのか顔を顰め
ドアへと向かった。
？「おい、いつになったら
お前の娘をこちらに渡すんだ。
大金だって用意した。何が不満だ？」
母「うちの子を売り物みたいな
言い方しないでください！
娘は大切な家族です！貴方みたいな人達に
渡せるわけないでしょう！」
いつもは温厚な母が何者かに対して、
激しく怒鳴っている光景は
幼い私にとっては異様。
？「なら仕方が無い…王のご命令だ。
力ずくにでも連れていくぞ。」
母「っ…!!」
ｶﾞﾁｬﾝ。
鍵が閉まった音がして、母は急いで戻ってきた
そして、私にこう言った。
A「どうしたの、お母さん？」
その時の母の顔は、とても青ざめていて、
普通じゃなかった。笑っている母も
こんな顔をするんだと子供心に思った。
母「A。お母さん達が良いって
言うまで絶対に
このクローゼットから出たらダメ。」
A『何で？』

続く