E ページ7
ゆっくりしすぎた。
そう思った。
いつもなら電気がついているはずの居間の電気は消えていて、居間を通り抜けたところの縁側に安吾さんがまだ開けていないビールを持って座っていた。
その横顔は、疲れとどこか悲しい表情をしていた。
そんな顔を見るのは初めてだったから、息苦しい気持ちになってきずいたら、貴方を後ろから抱きしめていた。
安「何ですか急に、」
一寸驚いた声音でいうあなた
「今こうしたい気分なんです」
そういえば
安「そうですか。」
と、苦笑いしながらも受け入れてくれるあなた
「そうです。」
嘘。
ほんとは、こうでもしないと貴方が消えてしまいそうで、どこか遠くに行ってしまうような気がしてならなかった。
寂しがって貴方に甘える私と違って貴方は私に甘えては、くれない。
一寸寂しいけれど、仕事が仕事だし私とは立場が違う。
一寸でも良いから私に頼って欲しい、なんて思うこともある。
何時もなら仕方がない。
そう、割り切ってしまっただろう。
でも今日それをしてはいけない、そう思った。
安「ビール飲みましょう？月がきれいですね。」
大真面目に感想を述べたんだろう。
でも、“月がきれいですね”だって。
「んふｗ」
笑ってしまった。
安「何笑ってるんですか。」
「だって、安吾さん。ビール飲みましょう？の後なんていったか覚えてますか？」
むすっとした顔でこちらをみる貴方。
本当に分かってないんですかね？
安「覚えてるに決まってるじゃないですか。
月がきれいｄ…」
固まっちゃった。
流石に気づくよね。
安「ちがっ、違うんですよ。本当に月が綺麗で」
あわあわと弁解し始めた貴方。
「知ってますよ。月は綺麗ですもの。でもうれしいですよ？私。そう言えば今日は暖かいですね。」
安「ええ。とっても暖かいですね。」
そう言いながらビールを手渡す貴方。
プシュゥ
封を開ければいい音がする。
自然と黙って月を見上げる。
あぁ。
本当に綺麗だ。
安吾さん、暖かいですねの意味を知っていますか？
貴方が知らないわけないですよね。
暖かいですね
あなたが傍にいてくれて幸せです
幸せです。
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卯月師走>>翡翠様 - コメントありがとうございます。プロフィールなかったので載せておきました。応援ありがとうございます。 (2018年6月3日 23時) (
レス) id: f45b803d55 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - えっと、これは主人公が安吾さんの奥様でよろしいですかね？面白い作品でした。これからも更新頑張ってください！ (2018年6月3日 16時) (レス) id: afd32b2f38 (このIDを非表示/違反報告)
卯月師走 - お読みくださりありがとうございました。宜しければコメントをお願いします。 (2017年12月31日 11時) (レス) id: af6d51fe9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 師走 | 作成日時：2017年12月26日 19時
