貴方の為に駆けずり回りましょう！【岸蛍】

9年目の浮気 4 ページ8

芋「あぁ、、、そう、でも、アンタそれって」




芋坂が何か言いかけたけれど、岸が扉を開けたので続きを聞くことはできなかった。





岸「えっと、、、お取り込み中だったかな？」



『全然！大丈夫よ、おかえり岸！』


芋「ええ、全然大丈夫よぉ〜。それより岸、早くしないと調査対象が行っちゃうわ〜」




車の中で行われたメイクアップ。岸はおばあちゃんになった。




『おばあちゃんになっても優しそう！さすが岸ね！』




芋「ちょっとぉ〜、すごいのは岸だけじゃないでしょうがぁ〜」



『はいはい、勿論芋坂もすごいわよ。ってそれより、マリがもうすぐ例のポイントに着くわよ！岸、いってらっしゃい！』




岸「いつもありがとね〜、2人とも、いってきます。」





そう言って岸はマリの元へ向かった。






『で、さっきなんて言おうとしてたの？』



芋「えぇ〜いや、その、まあ、、、」


『、、、最後まで言わないなら最初から口に出さないでくれない？』





その後2人とも黙ってしまったのでしばらく気まずい雰囲気が流れることになった。




私は岸が大好きで、それに今すごく幸せだ。

岸がそうじゃなくても、私は幸せだ。

別にそれで良いじゃないかと、思うんだけれど。








はぁ、とひとつため息をついた。






そろそろ気まずさも薄れてきた頃に扉が開く音がして岸が帰ってきた。





岸「あらやだ、2人とも喧嘩でもしたのかってぐらい暗い雰囲気ね、それともお葬式？」







『おかえりなさい！別に喧嘩なんかしてないわよ、それより早く次のポイントに行かなきゃ！』







もう一度芋坂による岸変装タイムが始まった。




どうやら今度は電気工事のお兄さんに変身するみたいだ。





『ペンライトを振れないのが悔しい！！！さすが岸、元が良すぎて何でも似合うわ！イケメン！！チャラい系もバッチリ似合っちゃうなんてこの世は岸に一体何物を与えたの？！？！』





芋「う〜る〜さ〜い〜！車の中なんだから声量考えなさいよぉ〜まったく、、、」




岸「ほんと飽きないっすね、久留間ちゃん。」


名前？？今名前呼んだしかも「ちゃん」？！？！





岸「、、、青っすよ。」




『あ、またやっちゃった。』





そうして、マリの目的地であるマンションに着いた。


岸「あざっした。じゃ、行ってきます。」




『行ってらっしゃい、岸！』

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