9年目の浮気 3 ページ7
いつもより色気のある岸にドキドキうるさい心臓を押さえながら、目的地までの道を運転する。
今回の目的地は依頼人の妻、マリを待ち伏せするため、いつも買い物の時に通るという橋だ。
岸「あ、そういえば。」
信号待ちをしていると岸が思い出したように言った。
岸「こっち向いて、久留間ちゃん。」
『えっ?私?』
びっくりして岸の方を向くと、パシャリ、と音がした。
『え、え、あ、ちょっと、撮ったの?撮るなら先に言ってよ!私今すっごい変な顔してた、、、』
岸「ごめんごめん、でも大丈夫。全然変な顔なんかじゃないよ♪」
少し笑いながらそんなことを言われた私は、その笑顔の破壊力にただ放心するしかなかった。
岸「えーっと、青だよ?」
『あっっっっ!!』
それからしばらく車を走らせて目的地へ辿り着いた。
『次の変装のために、良いタイミングで商店街の前のパーキングに来てね!』
岸「オッケー、じゃあ行ってきます♪」
『いってらっしゃい!』
岸と別れた後、一旦戻って芋坂を車に乗せ、商店街前のパーキングに向かう。
そこへ向かう途中、谷中の「どうした岸、なんかトラブルか?」という声が聞こえてきて慌てて、『ちょっと、谷中?岸に何かあったの?』と聞き返した。
チャーリーズのメンバーは全員指示用にインカムをつけているのだが、個人的な通話機能などは無く、全て谷中と繋がっている。
だから、全ての状況を把握できるのは谷中だけで、他は谷中からの指示を聞くか、谷中に指示を仰ぐかしか出来ない。
だからトラブルならば急いで助けに行かなければならないと思い谷中に聞いたのだが、谷中は、「なんでもないそうだ。」と答えた。
『なんでも無いなら良いけど、、、』
岸のことだから、大丈夫ではなくても大丈夫と誤魔化したんじゃないかとまだ不満があったけれど、言ってもしょうがないので大人しく車の中で待つことにした。
芋「アンタほんと岸のこと好きよねぇ〜岸のどこがそんなに良いのぉ〜?」
『どこが、、、って言うまでもなく全部よ。容姿も性格も全部。あのサラサラで若干長めの金髪、目力強めのぱっちり二重の目、普段は一言も喋らずになんでも麻雀牌で伝えるくせに変装したら急にキャラ変しちゃうとことか、もう全部ひっくるめて大好き。でも、1番好きなところは、
私に嘘つかないとこ。』
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ななり(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2023年4月23日 16時) (レス) @page7 id: 40f404ad6b (このIDを非表示/違反報告)
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