幼馴染の脱出方法 (ページ5)

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家に帰ってきた。

……なんで、私の部屋に凛月がいるの……

自分の部屋に入った瞬間、私のベットに寝てる何か黒いものがいた。いや、あった。

『……ちょっと……』

まぁ、こんな状況は何回もあるから、対処法も分かってはいるのだけれど。

「ん～、……ぁ、A～♡♡おい～っす」

『ん、おい～っす。……じゃなくてね？』

「だって俺、ちゃぁんと朝から起きてちゃぁんと授業受けたんだから、寝かせてよね」

『じゃぁ、自分の家で寝ろ。なんで私のベッドなんだよ』

「は？そんなのAのベッドがいいからに決まってるからでしょ。」

『理由になってねえよ。』

といつものやり取り(？)をしているのだが、凛月が自分で起きれるようになったのはすごい事だと思う。

つい最近まで真緒に叩き起されないと起きれなかったんだからね。

はぁ、お母さん感動しちゃうわ。

……って、早くお風呂入ろ……。

『帰って来て早々ごめんだけど、私、お風呂入ってくるから。』

「あぁ、俺に言うってことは一緒に入れってこと？」

『てめぇ、息の根止めんぞ。』

小さい頃は一緒に入っていた頃もあったけど、今となっては消し去りたい過去……!!!!!!!!!!

なんといっても、嫁入り前の女が幼馴染とはいえ男と風呂に入るなんて……！！

とにかく!!!!!!!!!!

早くお風呂に入って寝る!!!!!!!!!!

上着を脱いで、ハンガーに掛けた時だった。

刹那、私の腕が強引に引っ張られたと思ったら布に包まれる。

……えっ、何この状況。

凛月に抱き締められていた。

「……疲れてるんだったらいつでも俺がこうしてあげるけど。」

な、何よこいつ……！！
こういう時に限って王子キャラ出しやがって！！

『ちょ、ちょっと！疲れてはいるけど、こんなこと……』

「俺も！しばらくAにちゃんと会えなくて寂しかったんだから……っ」

びっくりした。

凛月がそんな弱音吐くなんて。

そういえば、夢ノ咲にいたときには会う度何か仕掛けてきてたもんね、急にそれがなくなるのは悲しくなっちゃうよね。

無意識に凛月の頭を撫でていた。

同い年とは言えど、なんだか弟みたいに見えてくるんだもん。

「ちょっと……撫でないでよね」

『じゃぁ、私のことを抱き締めない事だね。』

しばらく凛月の髪を撫でていると私の瞼が重くなってきた。

あ……ヤバい……

寝ちゃう……。