Dolce 【ヒプマイ短編集】

毒島メイソン理鶯 ページ4

女子の試練は幾度となく襲いかかる。




ただ今私、ガールズデイで、動けません。理鶯の家にせっかく来たのに、痛みが行きなり来るとか聞いてない…。



リビングのソファの上でうずくまっていると
「A？」と心配そうな理鶯の声が、上から降ってきた。心配させないためにもいつもの笑顔をみせる。


『大丈夫だよ！』



だが、理鶯の顔のくもりは晴れなかった。

ギュッ

『えっ』

「小官も男だ。こうして暖めればいいのだろう？」

ああ、理鶯のこういうかっこいいところ好き。

『ありがとう理鶯。すっごく暖かい！』




私より二まわりくらい大きい理鶯は、私をすっぽりと覆い、もはや私は見えない状態である。





数分すると、理鶯は私からすっと離れて、キッチンを漁り始めた。
痛みと格闘しながらも、理鶯を待っていると、湯気を立てたカップと、ふかふかのブランケットを持ってきてくれた。


「小官特製のスープだ！極寒の地にいた際、作ってみたのだがな、すごく体が暖まったんだぞ！」


嬉しそうに語る理鶯がかわいいのだがな、なんだが、









スープ、すごい色してますけど？

理鶯の作ったものだから、美味しいよ！きっと！←





ぐっと飲むと口のなかにほんのり甘さが広がる。

…おいしい。(^q^)


『美味しいよ！理鶯‼また作って‼』

「そうか」


すると今度は後ろからハグをされる。ブランケットをかけると耳元で囁かれた。









──早く元気になって小官にAの笑顔をみせてくれ。


こんなの…惚れない人はいないよ、理鶯。

碧棺左馬刻→←観音坂独歩

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