Dolce 【ヒプマイ短編集】

観音坂独歩 ページ3

私には彼氏がいる。会社の同僚、観音坂独歩。

たまにかっこよくて、かわいい彼に見事に心を奪われてしまった。









しかし今、私は怒っているのだ。何故か、それは…


嫉妬だよ‼

独歩とランチに行こうと思ったら、他の女子社員ちゃんにヘラヘラしちゃって、挙句の果てにはランチをすっぽかしちゃってさ…。

ひどいな…。

今日の昼休みは自分のデスクに突っ伏して過ごした。






午後からは仕事も手につかなかったよ、やっぱり独歩は私より、若い子がいいのかなぁ…と思ってしまう自分がいた。トホホ…。









．






『お疲れ様でしたー』

オフィスを後にすると、あわてて独歩が走ってきた。

『…どっぽ…』

「お前、今日、変だぞ?!」

変もなにも…嫉妬しちゃいましたなんて絶対言えない。

「俺、彼氏だから、お前の悩みだって聞くから‼」

こんなことを言われると胸がズキズキ痛む。

『…どっぽは、私でいいの？』

「は」

『だからっ！独歩は私なんかでいいの?!』

しまった。声を荒げてしまった。

「…そんなのお前以外、考えられない。」

不覚にも今、胸がキュンとしてしまった。


『じゃ、っ…ランチすっぽかさないでよ…っ‼』

本音と涙がぽろりとこぼれ落ちた。








次の瞬間、私の目の前は独歩で埋め尽くされた。

彼の匂いがいっぱいに広がる。

「ごめん、これからはちゃんとAとの時間、大切にするから。」



──約束だから。









後日談


─独歩くん、女子社員ちゃんの押しに負けたらしいよ。


『断れない優しい人だもんね！(汗)』

毒島メイソン理鶯→←入間銃兎 pink

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