Dolce 【ヒプマイ短編集】

山田一郎 ページ12

『っはぁぁぁぁぁ…‼今日も推しが尊いっ‼ほんっと、この可愛さとか殺しにきてるわｧｧｧｧｧ↑』


はい、こんにちは。絶賛テンションヤバめの巫Aです。今日は私の彼氏である一郎くんのお部屋にお邪魔しています。



久しぶりに来た一郎のお部屋はヲタにヲタがかってる。うん、過ごしやすいの極みだわ。


一郎から貸してもらっているラノベの主人公はかっこよくてですね、それでテンションがおかしいってやつです。


ですがこの本の主はさっきから元気がないのです。( ；∀；)


具合でも悪いのかな、と思っても顔色は悪くないので、何か落ち込むことでもあったのかね…。


『んね、一郎どしたん？そんな暗い顔して』


「暗い…か…」

それでも話してくれない。読んでいたラノベを置いて一郎の元へ行く。


『どうしたの？何か嫌なことでもあった？』

「何もねぇーよ」


…話してくれないのか、よし、なら強行突破だ。


私は一郎のほっぺたをつねった。

『ほらほら、笑ってよ‼』

「にゃいひてんあ、やめお〜(何してんだやめろ)」

少しは笑ってくれた。でもちょっとご機嫌ななめ…。


すぐ、解放してあげると、つねったところをさすり、言った。



「…お前が、ラノベばっか見るから…寂しいんだよ…バカ」


聞こえるか聞こえないかの声で。一郎が嫉妬してくれたんだと理解できたのは10秒後だった。


私は頭がパンクしそうなのである。

『…っえ？…寂しい…？』

「おう、寂しい。」

だから…と言い、私を軽々しく彼の膝の上に乗せる。







───俺に思う存分、構って？

有栖川帝統→←神宮寺寂雷

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