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赤side
あれから時間の流れは早いもので あっという間に 望が都会へ行く日になった。
赤「分からんなったら ちゃんと人に聞くんやで」
桃「分かってる!」
赤「着いたらすぐ連絡してや、変な人にも着いてったらあかんで」
桃「も〜、子どもちゃうもん!」
キャリーケースを片手に ムッと頬をふくらませ 睨んでくる。
もう望も中学生。
1人で高速船にも乗れるし、電車も乗れる。
わかっていても、心配なんは仕方ない。
赤「…みんなに、よろしく言ってて」
桃「大にぃが寂しくて泣いてるって言ってきたる!」
満面の笑みで手を振って去った望を見送り、残り1週間となった正月に向けて そそくさと仕事へ戻る。
今年は雪が降るかもと大荒れの予報され、そんな中わざわざここまで足を運ぶ人も少なそうやし…。
赤「…みんな、おらんしな」
毎年 年越しはみんなで鍋を囲んで 十二時ちょうどに 俺の舞を見てから初詣。
ちょっとした俺の中の楽しみが今年はないとなると、少し寂しかったり。
まあ、忙しいからそんな事もすぐ忘れてまうんやろけど。
「ミャ〜ン…」
赤「……慰めてくれてんの」
するり、と足の間をすり抜けた子猫を抱き上げ、その温もりが寂しさをまぎわらせてくれた。
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あーさん(プロフ) - 涙が止まりません。続き待ってます。 (2022年12月10日 13時) (レス) @page16 id: 88927b7bb6 (このIDを非表示/違反報告)
すみっこ(プロフ) - 読ませて頂きました!すごく面白かったので続き気になります!更新待ってます! (2022年4月4日 1時) (レス) @page10 id: bc8bfd9460 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかゆ。 | 作成日時:2021年11月17日 14時