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赤side
桃「…大にぃ、寂しなる?」
しばらく黙々と作業を続けていると、しゅん、と眉を下げた望。
きっと、自分が冬休みの間 俺一人になってまうからやろう。
赤「そんなん気にせんと行ってきや、望みたいに子どもやないから寂しないしな」
桃「あー!また子供扱いする!!」
ムッと頬をふくらませる望の頭を撫でてやると、嬉しそうに目を細める。
怒ってるんだか、嬉しいんだか…。
桃「まぁ、ジュンタおるもんね」
なぁ?と、ストーブの前で丸まって寝ている子猫、ジュンタを抱き上げる望。
眠っていたところを邪魔され、ミャーと体を捩らせ望の腕からするりと抜け出した。
桃「あっ、も〜…」
再びストーブ前で体を丸めた子猫の横に、少し休憩と同じように丸まって寝転び始める。
赤「そんなとこで寝たら風邪ひくで」
桃「わかってる〜…」
いつまで経っても甘えたな末っ子に、奥の部屋から毛布を取りに立ち上がる。
…別に、寂しくなんかない。
こんなんもう慣れたもんやろ、
みんなが都会に出た時も、周りの友達が俺から離れていった時も、
淳太が帰ってしまった時も。
赤「……寂しくなんか、ないし」
自分に言い聞かせるように、ポツリと口からこぼれ落ちた。
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あーさん(プロフ) - 涙が止まりません。続き待ってます。 (2022年12月10日 13時) (レス) @page16 id: 88927b7bb6 (このIDを非表示/違反報告)
すみっこ(プロフ) - 読ませて頂きました!すごく面白かったので続き気になります!更新待ってます! (2022年4月4日 1時) (レス) @page10 id: bc8bfd9460 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかゆ。 | 作成日時:2021年11月17日 14時