◆Ｓｔｏｒｙ３２◇ ページ33
・
分隊長の命令を無視した私は、
巨人に掴まれていて、今にも食べられそうな
兵士を助けに入った。
まず、腕を削いで、それから刃を
両目に刺して、視界を奪った。
その後、うなじ付近にいた兵士がうなじを
削いでくれた。
『ズシーン！！』
巨人が倒れて、大きな音が付近に響いた。
巨人の手の中に収まっていた兵士を確認しに行く。
巨人の手の指を退かして、体を自由にしてあげた。
兵士は左足が折れたらしいが、
死にはしなかった。
「……あの、ありがとうございました」
ボソッとお礼が聞こえたのを私は聞き流して、
もう一体の巨人の様子を見る。
巨人は既に討伐されていたが、
死人が多少出てしまった。
また、人が死んだ……。
人が死ぬ光景を見るのはあまり好ましく無い。
自分が殺した時を思い出すからだ。
「メリルさん！！ 今の凄かったですよぉお！！」
私の馬を連れて、レインが大声で近付いて来た。
分隊長も一緒に来ている。
分隊長も私の身勝手な行動は
承知しているから別に良いだろう。
「…………」
私より身長が断然高い分隊長は、
私の近くに来ると私を見下している形になった。
無言で睨んで来るのも威圧を感じる。
「……何故命令を無視した？」
何故って……この事は気持ちの問題じゃ無い。
「仲間が危険な状況に陥っていたからです」
ってか、見ればわかるだろう。
「自分の事を優先しろと言っただろう。
君の方があの兵士より人材評価は何十倍も高い
……君は失ってはいけない存在なんだ。
わかるか？ 解るなら命令を聞け。
わからないならどんな方法を使ってでも解らせる。
……良いな？」
良いなって、……考え方が可笑しいだろ。
何十倍も高くても、人は価値だけじゃ
抗がえないと思うんだが。
どんな方法も使っても、か。
分隊の瞳は、いつもの優しい瞳と違い、
暗く霞んでいた。
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霰粥(プロフ) - 乃亞さん» 私の沢山の作品を見ていただいていたんですね！ありがとうございます！！エルヴィンの小説を書いている方が居て嬉しいです♪お互い、頑張りましょうね(＾∀＾)/ (2015年5月9日 22時) (
レス) id: 39adbe2731 (このIDを非表示/違反報告)
乃亞 - コメントありがとうございます！霧粥さん、更新がんばってください！あと終焉の恋もがんばってください！ (2015年5月9日 14時) (レス) id: 1d02089984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霰粥 | 作者ホームページ：http://エルヴィンの昔のアダ名が眉毛とか苛められてるだろ
作成日時：2015年5月1日 13時
