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「やだ、めんどい」
「…っ」
即答。さすがに傷つく。何か、グサッときました。
「なんで俺が…」とめんどくさそうに、顔をしかめる紫原君。まぁ、誰だってそうなるだろう。
でも___
「…お願いします!!」
「…っ!」
思わず腕をつかんだ。けど、彼は腕を振り払う。けれど、その手を私はもう一度つかんだ。
「…っあんたさぁ、しつこい」
「…お願いします」
消え入りそうな声で頼む。
もう、私は___
___ポタ
「私は、もうキノコって呼ばれたくないです。」
_なぜかわからない。私はなんで泣いているんだろう?
腕をつかむ力が弱まり、その場にへたり込んだ。
私は、多分
変わるきっかけが欲しかったんだ。
ずっと___
「氷室くんに…釣り合う女の子になりたい…んです。」
しゃっくりを上げて泣く私を紫原君はただ眺めてた。
でも少し時間がたつと口を開いた。
「…泣くとか、ダッサ」
「…っ」
「どんだけ室ちんのこと好きなの?引くわ〜」
この人は、どこまで無神経なんだろう。もうある意味尊敬できるレベルだ。
すると_
「これ、返して」
「…っあ」
クッキーの袋を奪われてしまった
これじゃあ、もう__
「これがいい。」
「…え」
顔を見上げる。紫原君がクッキーの袋をひょいと持ち上げた。
「交換条件。」
「…!」
「手伝ってあげる。そのかわり…俺にお菓子を作って、いっぱいちょーだい?」
心の奥で何かがこみ上げてきた。今日生まれて初めて紫原君がいい人に見えた気がする。
でも__
「…わ、私のことキライって__」
_昨日の言葉が忘れられなかった。
紫原君はまたクッキーをほおばり始める。改めてみると、こんなにも大きな人が甘いもの好きだなんて以外過ぎる。
クッキーを飲み込み、紫原君は___
「…あんたのことはキライだけど、お菓子くれるならそれでいい。」
「ちょっと。」
前言撤回したいのだが、そんなことをしたら協力してもらえなさそうだ。
私は精一杯頭を下げた。
「よっ、よろしくお願いします!!」
「うん〜」
こうして、私と紫原君の奇妙な関係が始まった。
。
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莉弥(プロフ) - これ、なまえ変換きかないんですか?? (2016年3月25日 0時) (携帯から) (レス) id: aa7d841247 (このIDを非表示/違反報告)
水島リツ(プロフ) - ミユウさん» あざます…wコメントわざわざありがとう^^* (2015年5月2日 0時) (レス) id: 1b884eaa7e (このIDを非表示/違反報告)
ミユウ - 二人ともイケメンだし、主人公いい人だし…それに話の展開とかも結構好きだよd( ̄  ̄) (2015年5月1日 23時) (レス) id: f62038dd2e (このIDを非表示/違反報告)
奏*(プロフ) - るーしーさん» はいいっ!!頑張ります!頑張らせていただきまっすwwコメントThank you (2014年8月28日 16時) (レス) id: 1b884eaa7e (このIDを非表示/違反報告)
るーしー(プロフ) - 楓ちゃんがたまに今吉さんに見えますww 完結まで読ませていただきます!頑張ってください! (2014年8月28日 14時) (レス) id: 4558271b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水島リツ | 作成日時:2014年7月1日 20時