となりのわんこ2 □Kazunari.N■ (ページ22)

今日:15 hit、昨日:3 hit、合計:114,174 hit

□52話■ ページ22

□Aside■

A「別に…誰でもいいでしょ」

トモキ「ふぅん？」バッ

A「あっ！」

トモキはあたしを掴んでた手でスマホを奪い

画面で発信先を確認した。

トモキ「ふぅん…二宮、ねぇ」

A「返して！」

トモキ「…ほんと生意気」

A「いたっ」ビクッ

トモキは発信中止ボタンを押すと

あたしの手をまた掴んで、ヅカヅカと歩き出す。

掴まれた腕の力が強くて、痛いし

振りほどけないし、最悪。

連れられるがままに歩いていくと

あたしのアパートの前に着いた。

A「ちょっと、なに！？」

トモキ「鍵」

A「は？やだ！離して！」

トモキ「はぁ…」

理不尽な要求を否定すると

トモキはめんどくさそうな顔をして

掴んでいたあたしの手を、壁に叩きつける。

ダンッという鈍い音がなったと同時に

あたしの腕に、激痛が走った。

A「いった…」

トモキ「なんで俺に連絡しないで、あいつには連絡してんの？」

A「えっ…？」

トモキ「もっと俺の事でいっぱいになって、苦しめばいいのに…」

なに…何言ってるの？この人

自分が最低な事言ってるって、気づいてない？

でも、その切なげな表情に

昔のあたしが、反応している。

…ダメなんだ、このままじゃ。

A「意味わかんない、散々遊んだくせに…もう離してよっ…！」

トモキ「離したらお前、逃げるだろ」

A「いいから離して！」

トモキ「煩いな…その口黙らせるか」

A「やっ、やだ…誰か…」

トモキの顔が近づいてきて

またキスされる…

そう思って、ぎゅっと目を瞑った時

和也「A！」

声が聞こえて、目を開けると

二宮さんが向こうから走ってきていた。

彼の存在に気づいたトモキも、動きを止める。

和也「ハァ……何してんの？」

汗を拭い、そう言った二宮さんは

息を切らしていて、相当急いで駆けつけてくれた様子だった。

二宮さん…来てくれた…

嬉しくて安心したのか、目の奥がジーンとなった。