サクラと、羽と、 5 (ページ9)

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Episode203 ページ9

その夜。

お父さんは帰ってこないって聞いて、結局、潤の体調が気になった俺は家に泊まらせてもらうことにした。

母さんは二つ返事でOKをくれた。

元々、母さん、潤のことかなり気に入ってるしな。

潤が幼稚園の時連れて行ったあの日から、ちょくちょく潤は俺んちに遊びに来てる。

俺が連れてってるんだけど。

その度に母さん、「おかえり！」なんて言って、まるでもう一人の息子みたいに潤のことを可愛がってる。

今回も、潤の風邪のことを話したら、ついててあげなさい、って言われた。

でも、貰わないように気をつけて、って付け加えられたけど。

俺は潤の家のシャワーを浴び、潤の部屋で単語帳をみていた。

カチャッ…ー

扉が開き、風呂上がりの潤が現れた。

“綺麗”

湿った髪と、濡れた肌。紅潮した頬。

その言葉があまりに似合いすぎていて、俺は思わず言葉を失った。