今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:7,016 hit
小|中|大
☆5 ページ5
流石に部屋着やとあかんな、と、上着を羽織って外に出た。
駅につくと、入り口にぽつん、と立つ、高身長の男。
「望」
上がった息を整えつつ声をかけると、俯いていた望が顔を上げる。
不安げなその表情に、俺は眉を下げ微笑みかけた。
「俺んち、おいで」
家までの距離は、お互い無言やった。
何があったのかも分からないから、なんて声をかけたらええのか分からへんくて。
望は望で、黙っとったけど、俺のあとに静かに続いて、歩いていた。
そして、俺んちについて、鍵を開ける。
「はい、どうぞ」
招き入れるように言えば、「ありがとう」と小さく返す望。
やっと声聞けたわ、と思ったのもつかの間、
泣いてるのか笑ってるのかわからへん顔をした望は、いつもの声色で「あきと、俺な、振られたわ」
望が、呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
32人がお気に入り
32人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:じゅんくる | 作成日時:2020年8月28日 21時