君は僕の太陽。 (ページ5)

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Story4 ページ5

初めは、ほんまに笑わへん子やった。

所謂、父親から虐待を受けていた子らしくて。

耐えきれなくなった母親が、死にものぐるいで望を施設に預けて、そこで、働いとったうちの母さんは望に出会ったんやって。

毎日部屋の隅っこにひとりで座って、毎日何かに怯えてて。

そんな様子を見ていた母さんは、何とかして望の心を開かせたいと思うて、懸命に話しかけたらしい。

はじめは何に対しても無反応だった望やけど、なぜか、お兄ちゃん、というワードには反応して。

不思議に思った母さんが聞けば、近所に優しいお兄さんがおって、その人だけはいつも望の味方で、遊んでくれたりもしてたんやって。

その人の話を聞くと、望は少しずつやったけど、口を聞いてくれるようになって。

母さんにだけ、心を開き始めたらしい。

そして、俺なら兄ちゃんが務まると思うて、思い切って家に連れて変えることに決めた。

…やけどな、母さん。

ちょっとちゃうねん、俺な…全然兄貴、できてへん。

…やって、好きになってもうたんよ。